【為替本日の注目点】FRB議長発言で株続落、雇用統計下振れ懸念
NY市場
ドル円は、民間雇用レポートが市場予想を下回ったことからドル安が進行。119円21銭までドルが売られ、連休前の水準まで下落。その後はやや戻して、119円45-50銭近辺で取引を終える。ユーロドルも反発。欧州景気の回復が予想以上に早いとの見方もあり、ユーロドルは1.1370近辺まで買われ、約2ヵ月ぶりの水準を回復。
株式市場は続落。イエレンFRB議長が、株式市場のバリュエーションは高いと発言したことが響いた。ダウは86ドル下落し、1万7800ドル台に。債券相場も続落。イエレン議長が利上げ開始後の長期金利の急騰に言及したことで債券は売られ、金利は2.25%台まで上昇。金は反落。原油は続伸し、61ドルに接近。
4月ADP雇用者数 → 16.9万人
第一四半期労働生産性(速報値) → -1.9%
ドル/円 119.21 ~ 119.87
ユーロ/ドル 1.1221 ~ 1.1370
ユーロ/円 134.40 ~ 135.69
NYダウ -86.22 → 17,841.98ドル
GOLD -2.90 → 1,190.30ドル
WTI +0.53 → 60.93ドル
米10年国債 +0.072 → 2.252%
本日の注目イベント
豪 豪4月雇用統計
日 4月マネタリーベース
英 英 総選挙
米 3月消費者信用残高
米 新規失業保険申請件数
ドル円は、連休中に120円台半ばまで上昇する場面があったものの、これまでの「壁」は抜け切れずに、そこを天井に反落。再び119円台前半まで下落し、連休前の水準とほとんど変わっていません。NYダウのレベルも上昇後下げているため、ほとんど変化はありません。
変わったのは、米国の長期金利の水準です。連休前は2.03%台だったものが、昨日の引けは2.25%まで急上昇しています。通常米金利の上昇は、ドルが買われる傾向にあります。実際、今週月曜日にはドルが買われて、120円51銭までドル高が進みましたが、上記「壁」を抜くことが出来ずに反落しています。
結局、118円半ばから下のサポート水準と、120円半ばから上のレジスタンス水準が抜け切れず、依然としてレンジ相場が続いていることになります。ただ、それでも米長期金利の上昇は、今後ドルが上昇し易いことを示唆しているように思われます。
イエレンFRB議長は講演で、長期金利について、初回の利上げを引き金に現在の非常に低い水準から急上昇する可能性があるとの認識を示しました。議長はその例として2013年に、当時のバーナンキ議長が債券購入の段階的縮小を開始する可能性に触れた後の市場の反応を挙げています。(ブルームバーグ)米長期金利はその年の年末には3%近辺まで上昇し、ドル高の一因になったことは記憶に新しい所です。
ユーロドルの上昇もやや急です。これまでの戻りのメドであった1.12レベルを抜いて、昨日は1.1370あたりまで急反発しています。ギリシャがIMFに資金を返済したこともありましたが、テクニカルでは既に、一目均衡表の「雲」を約1年ぶりに上抜けしたことも、ユーロの買い戻しを加速させたと考えられます。ユーロ圏の景気の回復が、予想よりも早く進むとの見方が背景です。
明日は注目の「4月の雇用統計」が発表されます。予想は23万人の増加と見込まれていますが、昨日のADP雇用者数が市場予想を大きく下回ったことで、先月のように下振れするのではないかとの懸念も出てきました。3月分が予想を大きく下回った際、これは寒波や港湾ストの影響だと見る向きもあったわけですが、今回再び予想を下回ると、昨年12月あたりで雇用の増加もピークアウトしたのではといった見方が広がります。
その結果、利上げ観測が後退し、ドルが再度下値の下限を試す展開も考えられそうです。もっとも、市場予想の23万人程度を確保できれば雇用に対する不安が払拭でき、ドル高が進むことになるため、今回の雇用統計はこれまでにも増して注目されそうです。本日のドル円のレンジは119円~120円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は、民間雇用レポートが市場予想を下回ったことからドル安が進行。119円21銭までドルが売られ、連休前の水準まで下落。その後はやや戻して、119円45-50銭近辺で取引を終える。ユーロドルも反発。欧州景気の回復が予想以上に早いとの見方もあり、ユーロドルは1.1370近辺まで買われ、約2ヵ月ぶりの水準を回復。
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2015-05-07 10:00