中国経済「曲がり角」・・・成長の「原動力」を喪失中=英華字メディア

英紙フィナンシャル・タイムズの中国語版は5日、一部の経済学者から「中国の労働力が急激に減少しており、経済発展の原動力を失いつつある」と警鐘を鳴らす声があがっていると伝えた。
記事は、生産力の低下した農業分野から、工業や建設業へ労働力が移転してきたことが中国の経済発展を30年間にわたって支え続けてきたと指摘する一方、「農村部の労働力が枯渇しつつあり、人件費が急激に上昇している」と伝えた。
さらに、記事は「エコノミストらの中国経済に対する共通認識は、“中国はすでに曲がり角を迎えた”」という点であるとし、今後は経済成長の鈍化や投資の減少、競争力の喪失といった課題に直面することになると伝え、「成長に向けた新しい原動力の確立のため早急な改革が必要だ」と論じた。
また記事は、米投資銀行ゴールドマン・サックスの香港オフィスの関係者の話として、中国は工業化の過程で農業の余剰労働力が欠乏する「ルイスの転換点」の真っ只中にあると紹介し、「中国の全人口に占める生産年齢人口の割合は2015年に73%でピークを迎え、その後は1990年代の日本よりも速いスピードで減少するだろう」と論じた。
そのほか記事は、1978年にトウ小平が改革開放を打ち出して以来、すでに2億7800万人もの農民工が農村部から都市部へと移動したと伝え、中国の人口労働経済研究所の蔡昉所長の話を引用し、「2005年から10年にかけての農民工の増加率は4%だったが、14年は1.3%にとどまった」と紹介。15年はさらに同数値が低下する見込みであるとし、農村部の労働力が枯渇しつつあるため、農村出身の出稼ぎ労働者である農民工の増加率が減少していると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C) Angela Ostafichuk/123RF.COM)
英紙フィナンシャル・タイムズの中国語版は5日、一部の経済学者から「中国の労働力が急激に減少しており、経済発展の原動力を失いつつある」と警鐘を鳴らす声があがっていると伝えた。(イメージ写真提供:(C) Angela Ostafichuk/123RF.COM)
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2015-05-08 09:00