【為替本日の注目点】米雇用期待でドル反発、センチメント急変注意
NY市場
ドル円は朝方119円台前半まで売られたものの、4週間平均の失業保険申請件数が約15年ぶりの低水準だったことで、今夜の雇用統計に対する楽観的な見方が広がり、119円台後半まで反発。ドルが買われたことで、ユーロドルは3日ぶりに反落。欧州時間には1.13台後半までユーロ高が進んだが、その後1.12台半ばまで売られる。
英国総選挙で、与党保守党が最大議席を確保できるとの報道に、ポンド円は184円台後半まで急反発。株価は反発。アリババの決算を好感し、主要3指数は揃って上昇。ダウは82ドル高。債券相場も反発。世界的な債券売りの流れも一服し長期金利は2.17%台まで低下。金、原油は共に下落。
3月消費者信用残高 → 205.2億ドル
新規失業保険申請件数 → 26.5万件
ドル/円 119.12 ~ 119.86
ユーロ/ドル 1.1237~ 1.1313
ユーロ/円 134.19 ~ 135.13
NYダウ +82.08 → 17,924.06ドル
GOLD -8.10 → 1,182.20ドル
WTI -1.99 → 58.92ドル
米10年国債 -0.074 → 2.178%
本日の注目イベント
中 中国 3月貿易収支
独 独3月鉱工業生産
独 独3月貿易収支
米 4月雇用統計
加 カナダ4月住宅着工件数
加 カナダ4月失業率
前日の「イエレン発言」で急落した株式と債券の下落も一服。発表された新規失業保険申請件数も減少し、4週間平均では15年ぶりの低水準だったことから、今夜の雇用統計でも20万人を超える増加が期待できるなど、楽観的な見方が広がりました。ドル円は欧州からNYの朝方にかけては「ややドル安傾向」が強まっていたが、良好な指標と株高に119円台後半までドルが買い戻されています。
前日イエレンFRB議長が講演で、株価が高すぎることと、FRBが利上げを開始したら、長期期金利が急騰するリスクがあると発言したことで、「株安、債券安」が世界的に進んでいたが、この日は両市場とも落ち着きを取り戻し反発しました。特に、急落したドイツ国債が反発したことで、買い戻しが急速に進んだユーロも売られ、「ドル高ユーロ安」の流れに戻っています。ドル円もこうした流れに、円が売られドルが買い戻されたと言えます。
今夜の雇用統計はいつもにも増して注目度が高いようです。上で述べたように、新規失業保険申請件数が月平均では15年ぶりの低水準であることも、今夜の結果に安心感を与えてくれています。ブルームバーグは欧州系銀行のストラテジストのコメントとして「雇用統計は非常に重要だ」とし、「間違いなく米国経済で最も強い分野である労働市場について、雇用統計はその現状を明確に示すだろう」という言葉を紹介しています。
現時点での非農業部門雇用者数の予想は、22万8000人から23万人程度です。3月分が予想を大きく下回ったことで、米利上げ開始が先送りになるといった見方が広がり、ドルが売られたことは記憶に新しいですが、今回もし先月と同様に予想を大きく下回るようだと、現在予想されている9月の利上が、さらに先送りになるという観測が拡大し、ドルが再度売られることになりそうです。2ヵ月連続の20万人割れは、「雇用の拡大は昨年後半でピークアウトしたのでは」といった見方が急速に高まるからです。
一方仮に予想を上回るようだと、3月分は一時的な現象と考えられ、米労働市場は依然として拡大していることになります。いずれにしろ結果次第では、それまでの市場のセンチメントを急激に変える可能性があるという点には注意が必要です。願わくば雇用統計の結果が、足元のドル円の閉塞感を払拭してくれればいいと考えている市場関係者は多いのではないでしょうか。今夜9時半に注目です。本日のドル円のレンジは、雇用統計を考慮して118円50銭~121円程度と、広めに予想します。
6日に行われたイエレンFRB議長の講演内容が予想外の反応を見せ、株式市場や債券市場を震撼させています。株安と債券安が同時に起きたわけですが、これをイエレン議長の「フォワード・ガイダンス」と受け止められないこともありません。
利上げに踏み切ればいずれにせよ、両市場にとってはネガティブな材料となり、大なり小なり影響を受けないわけにはいきません。議長は、そのあたりを考慮して「今から準備をしなさい」というメッセーを投げかけたとも考えらます。だとすればその先にあるのは・・・「利上げ」ということになりますが、やや穿(うが)ちすぎでしょうか?良い週末を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は朝方119円台前半まで売られたものの、4週間平均の失業保険申請件数が約15年ぶりの低水準だったことで、今夜の雇用統計に対する楽観的な見方が広がり、119円台後半まで反発。ドルが買われたことで、ユーロドルは3日ぶりに反落。欧州時間には1.13台後半までユーロ高が進んだが、その後1.12台半ばまで売られる。
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2015-05-08 10:00