イギリス総選挙2015と為替ポンドへの影響=為替王

 イギリスでは5月7日に総選挙が実施され、翌日(5月8日)には選挙結果の思惑から、英ポンド円の為替レートが約5円も(1ポンド=181円から186円へ)急上昇しました。 ■直前予想は、激戦で政局混迷の見方も  直前までの世論調査において、保守党(与党)と労働党(最大野党)がいずれも支持率33~34%と大接戦。どちらが第1党になっても、過半数には及ばず、どちらが主導権を握るのか、どのような連立を組むのかなど不透明で、政局が混乱するだろうと見られていました。 ■選挙結果は、保守党(与党)の圧勝  大接戦との事前の予想を裏切り、結果は、キャメロン首相率いる保守党(与党)が圧勝。単独で過半数を確保。主要政党の議席数(得票率)は下記の通り。  保守党 331議席(36.9%)  自由民主党 8議席(7.9%)  労働党 232議席(30.4%)  スコットランド民族党 56議席(4.7%)  イギリス独立党 1議席(12.6%)  その他 22議席  (※全650議席、過半数は326議席) ■寸評  選挙前は保守党と自由民主党の連立政権。選挙後もキャメロン首相の続投はほぼ確実となりました。最大野党の労働党は、伸び悩みました。スコットランド民族党は、得票率はわずか4.7%ながら、スコットランドで効率よく議席を伸ばしました。一方、反EU、反移民を掲げる右翼的なイギリス独立党は12.6%も得票しながら、議席数はたった1議席。このあたりはまた、小選挙区制度は民意を反映できていないなどの議論も出てきそうです。 ■為替への影響は、政局安定の思惑からポンド急上昇  ポンド円は選挙当日(日本時間の7日夜)は1ポンド=181円でした(一時的に180円台に突入する場面も)。選挙後(日本時間の8日朝)、保守党が勝利する見通しとの出口調査結果を受けて、一気に184円へ急上昇。さらに昼頃には、保守党が圧勝する可能性も出てきたと報道されると、186円へ上昇が加速しました。イギリスの政治が安定し、経済もこれまでの流れを受けて景気回復が続くだろうとの思惑などから、為替市場ではポンドが買われる結果になりましたが、それまで政局の混迷を想定した売り方が、予想外の保守党圧勝を受けて、慌てて買い戻したこともポンド上昇を勢いづかせる要因のひとつになったと考えられます。(執筆者:為替王)
イギリスでは5月7日に総選挙が実施され、翌日(5月8日)には選挙結果の思惑から、英ポンド円の為替レートが約5円も(1ポンド=181円から186円へ)急上昇しました。
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2015-05-09 16:15