【為替本日の注目点】NY株高受け日経上昇、ドル円膠着も株価次第

 NY市場  ドル円は雇用統計発表の直前に120円24銭まで上昇したが、4月の雇用統計は概ね予想通りだった。ただ、3月分が大幅に下方修正されたこともあり、ドル円は119円台半ばまで下落し、その後はもみ合い、119円70-80銭で越週。ユーロドルは1.13目前まで上昇したが、上値も重く、1.12台前半まで売られる。  株価は大幅に続伸。雇用統計の結果を受け、利上げ観測が後退したことから、ダウは267ドル上昇し、一気に1万8100ドル台を回復。債券相場も続伸。雇用統計を受け、12月の利上げの確率も低下し、価格は上昇。長期金利は2.15%と小幅に低下。金、原油は続伸。  4月非農業部門雇用者数 → 22.3万人  4月失業率       → 5.4%  ドル/円 119.59 ~ 120.24  ユーロ/ドル 1.1179 ~ 1.1290  ユーロ/円 134.08 ~ 135.39  NYダウ +267.05 → 18,191.11ドル  GOLD +6.70 → 1,188.90ドル  WTI +0.45 → 59.39ドル  米10年国債 -0.028 → 2.150%  本日の注目イベント  欧   ユーロ圏財務相会合   米   4月労働市場情勢指数(LMCI)   英   BOE議事録   4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が22.3万人と、市場予想の22.8万人からは若干下振れしたものの、概ね予想に近かった。ドル円は、発表時間が近づくに連れ上昇し、120円24銭までドルが買われ。「もしかしたらいい数字では」との期待も高まりましたが、結果は上述の通りでした。ただ3月分が、12.6万人から8.5万人に大幅に下方修正され、市場はこちらに反応した形でした。  3月分が下方修正され、平均時給も予想ほど伸びていなかったこともドルの上値を抑えた格好でしたが、反対に利上げへの警戒感が緩和され、株価は急反発しています。ダウは267ドル上昇し、前日の上昇分を併せると360ドルほど上昇したことになり、最高値に迫る水準を確保しています。今のところ「セルインメイ」の格言も不発のようです。  今朝の経済紙の一面にもありましたが、米中の景気の先行きに暗雲が漂ってきたようです。雇用者の伸びは2ヵ月連続で市場予想を下回り、3月の8.5万人は、2013年12月の8.4万人以来の低水準です。このため、9月の利上げ観測もやや後退し、12月の利上げの確率も低下しています。現時点では、年内の利上げの可能性がなくなるような状況ではありませんが、米景気に対する強気の見方は徐々に低下していると見られます。  結局今回の雇用統計で、118円台半ば~120円台半ばのレンジが破れるのでがないかとの期待も不発に終わりました。今週は13日に小売売上高が発表になり、こちらは注目度が高いようですが、それでも上記レンジをブレイクするとも思えず、膠着感が深まっています。  本日は、NY株の株高を受け日経平均株価も上昇しそうです。米長期金利も下がったといっても2.15%台を維持しており、ドル円のサポート材料と見られます。そのため、ドル円も119円台は維持できると見られ、株価次第では120円もあるかも知れません。予想レンジは119円20銭~120円20銭程度としたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は雇用統計発表の直前に120円24銭まで上昇したが、4月の雇用統計は概ね予想通りだった。ただ、3月分が大幅に下方修正されたこともあり、ドル円は119円台半ばまで下落し、その後はもみ合い、119円70-80銭で越週。ユーロドルは1.13目前まで上昇したが、上値も重く、1.12台前半まで売られる。
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2015-05-11 10:00