年収の半分が年金と保険と税金で消える時代?=為替王

Q:日本で貧困層が急増しているのは、アベノミクスのせいで間違いないですか? A:貧困層の増加については、データを見る限り、アベノミクスとはあまり関係ないように思われます。 Q:アベノミクスのせいで貧困層が増加しているってニュースでやっていましたけど、ウソなんですか? A:生活が苦しくなる理由は主に2つ。第一に「収入が減ったから」。第二に必要最低限の出費が増えるなど「負担が増えたから」。この2つが通常考えられます。 Q:普通に考えて、収入が減っているからじゃないんですか? A:日本の平均年収はリーマンショック後の2009年が底で、ここ数年は上昇傾向です。賃上げのニュースもよく目にしますね。アベノミクスにおいて平均的な給与・賃金は明らかに上昇しています。よって、貧困層の増加は、収入が減っていることが主な理由ではないことがわかります。 Q:平均年収が減っているわけではないのに、なぜ貧困層が増えているのですか? A:先ほどの第二の理由「負担が増えたから」と考えられます。年収が変わらない、あるいは少し増えているのに、負担がそれ以上に毎年増えているため、生活がきつくなって貧困層に陥るケースが増えていると思われます。 Q:何の負担が増えているんですか? A:主に健康保険と年金の支払い負担。消費税だと少しでも値上げされれば大変な騒ぎになるのに、健康保険と年金の負担は、毎年連続して異常なほど値上げされているのに、怒っている人は少ないですね。 Q:どれくらい値上げされているのですか? A:税金だけでなく健康保険や年金も含めた「国民負担率」という指標があるのですが、1970年に24.3%だったのが、2014年に41.6%まで上がっています。そして2015年は43.4%と公表されました。近い将来50%に達すると見られます(財務省のデータより)。 Q:それって年収の半分が吸い取られるってことですか? A:厳密にはケースにより異なりますが、日本全体で見れば、私たち国民は税金や健康保険や年金などを、所得の半分近くを負担させられているということになります。 Q:どうして頑張って稼いだ年収の半分も取られないといけないんですか?生活が苦しくなるに決まってるじゃないですか! A:最大の理由はアベノミクスとは関係なく、日本が根本的に抱えている少子高齢化の問題が根底にあります。健康保険制度や年金制度を維持するために、毎年どんどん負担が引き上げられて、国民負担率が43%に達してしまいました。そしてこれからもさらに国民負担率が上がることが確実というのが現状です。(執筆者:為替王)
Q:日本で貧困層が急増しているのは、アベノミクスのせいで間違いないですか?A:貧困層の増加については、データを見る限り、アベノミクスとはあまり関係ないように思われます。
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2015-05-11 17:00