日系車の「強み」・・・競合他社が打ち消しつつある=中国メディア

中国メディアの汽車人之家は9日、中国人の日系車に対する印象や認識には偏りがあると指摘し、日系車の燃費や信頼性について独自の見解を論じた。
記事は、中国人消費者の日系車についての印象は「燃費が良く、トラブルが少ないため気楽で、維持費も相対的に安い」というものだと伝える一方、なかには未だに「日系車は鋼板が薄く、安全性に劣る」という印象を持つ消費者もいると紹介した。
続けて、日系車について多くの中国人消費者が認識している点は「燃費の良さ」だろうとしつつも、「米国車は燃費が悪い」という誤解と同様に、「日系車はさほど燃費が良いわけではない」と主張。
さらに、日系メーカーは近年、中国市場でターボエンジンを採用した車種を投入していると紹介する一方、「今なお自然吸気エンジンが中心」であり、日系車の燃費は同水準のグレードの車と比較すれば相対的に良いものの、「絶対的なものではない」と論じた。その理由として、ターボ技術の向上とともに日系メーカー以外の車も燃費性能を向上させていることを挙げ、「日系車との差はますます縮まっている」と主張した。
また、トラブルや故障の少なさといった日系車の「信頼性の高さ」について、「かつての日系車は10-20年も乗ることが出来た」と伝え、実際に広東省などでは古い日系車を見かけることがあり、「寿命の長さが品質の高さという認識につながったのではないか」と推測した。
一方で、日系車が中国国内で生産されるようになったことで「現在の日系車は過去のような信頼性の高さはないのではないか」とし、「平均5年ほどで乗り換えになる現在の中国市場では、それほどの信頼性も必要ない」と主張。日系メーカーが手抜きをしているというわけではなく、「市場の特性に合わせたクルマづくりや他社との競争の結果ではないか」と論じた。また、日系車は「信頼性は高く、造りの丁寧さや乗る人のことを考えた設計が強みだった」としながらも、今日では他社や他車種との同質化が著しいと不満を呈した。
また記事は、日系車が中国市場で販売を伸ばせない現状について「競合他社が日系車の固有の強みを打ち消しつつあるから」と主張する一方、どのような自動車であっても一長一短があることを理解し、自分に合った車を選ぶのがベストだと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C) Ekaterina Bespyatova /123RF.COM)
中国メディアの汽車人之家は9日、中国人の日系車に対する印象や認識には偏りがあると指摘し、日系車の燃費や信頼性について独自の見解を論じた。(イメージ写真提供:(C) Ekaterina Bespyatova /123RF.COM)
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2015-05-12 11:15