【為替本日の注目点】米小売指標待ちドル円膠着、ユーロ再び上昇
NY市場
ドル円は朝方の120円15銭あたりを天井にジリ安の展開。株価の下落や、長期金利の低下にドルを売る流れが優勢となり、119円78銭近辺まで下落。ドイツなど欧州国債の利回り上昇を手がかりに、ユーロドルは上昇。1.12台前半から半ばで推移し、ユーロ円も135円台まで買われる。
株式市場は続落。欧州での株安の影響もあり、ダウは36ドル下落し、ナスダックも17ポイント安。債券相場は反発。3年債入札が好調だったこともあり、金利水準からも投資魅力が高まったとの声も。長期金利は2.25%台に低下。金は反発。原油価格も大幅に反発し4日ぶりに60ドル台に。
4月財政収支 → 1567億ドル
ドル/円 119.78 ~ 120.16
ユーロ/ドル 1.1206 ~ 1.1266
ユーロ/円 134.36 ~ 135.16
NYダウ -36.94 → 18,068.23ドル
GOLD +9.40 → 1,192.40ドル
WTI +1.50 → 60.75ドル
米10年国債 -0.037 → 2.250%
本日の注目イベント
日 3月国際収支
日 4月景気ウォッチャー調査
中 中国 4月小売売上高
中 中国 4月工業生産
独 独1-3月期GDP(速報値)
独 独10月消費者物価指数(改定値)
欧 ユーロ圏1-3月期GDP(速報値)
欧 ユーロ圏3月鉱工業生産
英 英4月失業率
英 BOE、四半期物価報告
米 4月小売売上高
120円台前半まで上昇したドル円は、再び119円台に押し戻されています。NYでは株価が下落し、長期金利が低下したことでドルの上値が重くなり、ジリ安の展開から、119円80銭を割り込む場面もありました。ドル円は膠着感が強まり値幅も出ないことから、「取引を手控える」といった市場関係者の声も聞かれます。
ドイツをはじめ欧州債の利回りが上昇していることで、欧州の投資家がドルを売って、ユーロを買い戻す動きが活発のようです。昨日はイタリアやスペインの利回りも上昇し、先月に始まった欧州での利回り上昇は米国債利回りの上昇幅を超えています。動きの早い資金は、株から債券にシフトしているとの報道もあるようです。もっとも利回りの上昇は欧州に留まらず、日米でもおきています。日本の長期金利も昨日は0.47%まで上昇し、約2ヵ月ぶりの高水準でした。
今はドル円単独では方向感がないため、次の経済指標発表を待つしかありません。今夜は米国の小売売上高が発表されるため、この指標に期待したいところです。小売売上高は1月と2月がマイナスで、3月にようやく「+0.9%」まで回復しました。米GDPの7割以上を占める個人消費に直接影響するため注目されますが、4月分は前月比「+0.2%」と予想されており、3月からは減速すると見られています。
サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は講演で、「今の段階で今後の金融政策の方向性を決定する必要はない。データを注視し、様子を見ている」と発言しています。(ブルームバーグ)次回のFOMCは6月17-18日に開催されますが、ここでの利上げはほぼないと思われ、市場の関心は「9月利上げ」の可能性があるのか、あるいは来年にずれ込むのかを判断するための材料を探しています。今後の経済指標はFOMCメンバーだけではなく、多くの市場関係者が注目しています。
本日もドル円では大きな値動きは期待できませんが、上述のように今夜9時半には4月の小売売上高が発表されます。また欧州時間には、ドイツをはじめユーロ圏の1-3月期GDP速報値が出ることから、ユーロは活発な動きを見せると思われます。ドル円のレンジは119円50銭~120円50銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は朝方の120円15銭あたりを天井にジリ安の展開。株価の下落や、長期金利の低下にドルを売る流れが優勢となり、119円78銭近辺まで下落。ドイツなど欧州国債の利回り上昇を手がかりに、ユーロドルは上昇。1.12台前半から半ばで推移し、ユーロ円も135円台まで買われる。
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2015-05-13 10:00