【為替本日の注目点】株価も軟調ドルは下値を試すか、豪ドル円上昇
NY市場
4月の小売売上高が予想を下回ったことでドル円は119円割れ目前まで下落。狭い値動きからややドルの下値を試す展開に。ユーロドルは続伸。ユーロ圏GDPが好調だったことに加え、米経済指標が冴えなかったことからユーロドルは一時1.1383まで上昇し、直近の戻り高値に迫る。
株式市場はまちまち。朝方は上昇する場面もあったが、午後にはだれる展開に。ダウは7ドル下落し、ナスダックは小幅高。債券相場は反落。欧州の債券が再び売られ金利が上昇したことから、米国債も下落。長期金利は2.3%近辺まで上昇。ドルが売られたことで金は大幅に反発。原油は小幅に下落。
4月小売売上高 → 0.0%
ドル/円 119.03 ~ 119.74
ユーロ/ドル 1.1219 ~ 1.1383
ユーロ/円 134.27 ~ 135.50
NYダウ -7.74 → 18,060.49ドル
GOLD +25.80 → 1,218.20ドル
WTI -0.25 → 60.50ドル
米10年国債 +0.044 → 2.294%
本日の注目イベント
日 4月マネーストック
米 新規失業保険申請件数
米 4月生産者物価指数
期待した4月の小売売上高も市場予想を下回る横ばいでした。事前予想が+0.2%であったため、米景気の先行き不安が広がり、ドルは主要通貨に対して全面安の展開でした。豪ドルやユーロなどは対ドルで上昇し、円もこれらの通貨に対して売られたため、市場全体では「ドル安、円安」の様相に変化しています。
値幅の狭いドル円も、さすがに昨日は1円ほどの動きを見せしたが、そのほとんどが海外市場であり、「7割海外、3割東京」の値動きが定着しそうなイメージです。為替は昨日のように経済指標の良し悪しに反応して動くため、どうしても東京時間での動きは限定されてしまいます。加えて、このところは株価との連動性も薄れて来ており、手掛かりがつかめない状況です。もっとも、今はその株価も一時ほどの元気はありません。
ドル円はNY市場で119円03銭まで下落して、先週7日の底値と同水準までドル安が進みました。今日の取引で119円を割り込むようなら4月末以来のことになります。ドル円はボラティリティーから見ると膠着感が強まっており、119円を割り込んでもさらに大きくドルが売られる見込みは少ないように思われます。重要なレベルは、これまで通り118円台前半から半ばにかけての水準です。ここを割り込むようだと「レンジブレイク」の可能性も浮上してきます。
豪ドル円が96円70銭台まで上昇して、今年1月の中旬以来の水準を回復して来ました。先週政策金利を過去最低の2.0%まで引き下げたことをきっかに反発しています。背景は、これ以上政策金利の引き下げはないだろうという「材料出尽くし」と、今回引き下げた際に引き下げの継続に関するコメントがなかったことが挙げられます。ブルームバーグニュースは先週から、ヘッジファンドなどが豪ドルのショートポジションを縮小させていると伝えています。事実IMMの建て玉を見ても、減少しているのが見てとれます。
今後の展開ですが、「週足」では「雲」の上限が97円30-40銭あたりにあるため、ここを突破できれば、昨年12月の98円台前半が次のターゲットになります。多くの個人投資家が保有していると見られる豪ドル円。利益確定のポジション解消に伴う売りをこなして、上昇出来るかどうかもポイントになります。個人的には、ある程度の利益を確保できるのであれば、ここは一旦手仕舞っておくのも一案かと思います。
本日は株価もやや軟調に推移しそうです。昨日のNYのドルの底値を割り込み118円台までドルが売られるかどうかが注目されます。118円台では、実需のドル買い注文も入っていると思われますが、レンジは118円70銭~119円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
4月の小売売上高が予想を下回ったことでドル円は119円割れ目前まで下落。狭い値動きからややドルの下値を試す展開に。ユーロドルは続伸。ユーロ圏GDPが好調だったことに加え、米経済指標が冴えなかったことからユーロドルは一時1.1383まで上昇し、直近の戻り高値に迫る。
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2015-05-14 09:45