住宅ローンで家を購入。失敗だった?=為替王

Q:住宅ローンを組んで、住宅を買ってしまいました。失敗だったんでしょうか? A:購入と賃貸とどちらが有利なのかは個別の事情に左右されますが、一般論として、親世代から、家を買うことが当然であるかのように言われて家を買った方は、かわいそうだと思います。親世代とは経済環境が正反対です。 Q:自分の親からも義理の親からも「いつ家を買うのか?」などとプレッシャーを受けて、買ってしまったのですが。 A:親世代は、基本的にインフレでした。インフレとは借金をする側が有利です。しかし今はデフレ(少なくともインフレになりにくい)時代です。デフレは借金する側が損するのです。 Q:ちょっと難しいので、わかりやすく教えてください。 A:インフレの時代なら給料も家・土地などの資産価値もどんどん上がります。借金の相対的な価値は目減りするためローンの返済もどんどん楽になります。一方、デフレの時代は給料も資産価値も上がりません。近年はむしろ下落することが多かったですね。そのため借金の返済が相対的にどんどんきつくなります。「俺は若い頃に家を買った」などと自慢しながら、同じことを子供世代にも強要する親は、間違いなく経済オンチで、最近の深刻な経済状況の変化を理解できていません。今の時代ならばおそらく破綻予備軍になっているタイプでしょう。 Q:自分の親ならともかく、義理の親に言い返せるわけもなく、とにかくもう家を買ってしまいました。住宅ローンの月々の返済がきついです。これから子供が大きくなりますし、妻は中学から私立に行かせたいと言ってきますが、私立の学費を払えるかどうか以前に、普通の生活を続けるだけでも大変です。 A:今の現役世代の生活が苦しくなっている理由は、デフレだけではありません。親世代のために異常なほど高額な健康保険や年金を負担させられているからです。 Q:天引きされているので、よくわかりませんが、そんなに高かったでしたっけ? A:厚生年金の保険料負担率は、親世代は月給の10%未満でした。それが約10年前にボーナスも含めた総収入(年収すべて)にかかるように改悪されて、負担率は現在17.474%。再来年には負担率18.3%になります。年収の2割近くも負担させるなんて異常です。健康保険と税金もあわせた国民所得の負担率は現在43%を超えています。稼いだ所得のうちの4割超も強制的に搾取されていては、生活が苦しくなって当然でしょう。 Q:でも厚生年金は、自分の老後のためでもあるから、まだ我慢ができます。 A:それ間違いです。今あなたが払っている厚生年金は、自分がもらえる分ではありません。今の高齢者のために使われているんです。そのことは厚生年金の公式サイトにも明記されています。あなたの老後は、その時の現役世代が支払う分しかもらえません。当然、少子化で支払われる総額は激減しますから、あなたの老後の年金は今よりも大幅に減額されている可能性が高いです。 Q:もうなんか本当に暗い気分になってきました。どうすればいいですか。 A:深く考えずに、親世代と同じようにモノを買ったり出費を続ければ、どんどん自分のクビを絞めることになり、生活が行き詰まる可能性が高まります。親世代と私たちの時代は、同じ日本であっても全く異なるという現実をまずは、しっかり認識することが大事でしょう。(執筆者:為替王)
Q:住宅ローンを組んで、住宅を買ってしまいました。失敗だったんでしょうか?A:購入と賃貸とどちらが有利なのかは個別の事情に左右されますが、一般論として、親世代から、家を買うことが当然であるかのように言われて家を買った方は、かわいそうだと思います。親世代とは経済環境が正反対です。
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2015-05-14 17:15