日本は利益、中国は損失・・・「対外純資産」の管理に明暗=中国メディア

 中国メディアの中国経済導報は14日、中国は約2兆ドル(約238兆円)もの対外純資産を有しているが、2014年の経常収支における所得収支は298億ドル(約3兆5543億円)のマイナスだったと伝え、巨額の対外純資産を持ちながら投資収益率がマイナスであることが「中国の資産管理における最大の問題」と論じた。  記事は、世界には「3兆ドル(約357兆円)を超える対外純資産を持ち、対外純資産を通じて年1700億ドル(20兆2764億円)の利益をあげている国がある」と紹介し、それは日本だと紹介。一方の中国は約2兆ドルもの対外純資産をもちながらも収益はマイナスであり、11年には700億ドル(約8兆3491億円)の損失を出したと伝えた。  続けて、中国の資産構造について「中国政府による外貨準備に過度に集中しており、民間による資本輸出は極めて不足していることが分かる」と指摘。さらに2014年第4四半期における中国の海外総資産のうち外貨準備が60.8%を占め、対外直接投資は11.6%にとどまったと論じた。  さらに、中国の対外純負債は外国資本による直接投資に集中していると伝え、「これは海外の資本を高コストで購入しているようなもの」と主張。外国資本の中国への直接投資による収益は、中国の外貨準備による収益を大きく上回っていると伝え、「中国は低収益率の資産を買い続け、民間では高コストの資産を購入し続けているのと同じだ」と論じた。  続けて記事は、日本のように対外純資産を通じて収益をあげるためには対外資産と対外負債の構造を変える必要があると伝え、土地使用権といった高収益率が見込める資産の売却を減らすと同時にアフリカや東欧、中央アジアなど高い成長率が見込める市場への投資を行うべきだと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの中国経済導報は14日、中国は約2兆ドル(約238兆円)もの対外純資産を有しているが、2014年の収益は298億ドル(約3兆5543億円)のマイナスだったと伝え、巨額の対外純資産を持ちながら投資収益率がマイナスであることが「中国の資産管理における最大の問題」と論じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-05-17 15:15