【為替本日の注目点】株価次第ではドル円下落リスク、ユーロは続伸
NY市場
ドル円は119円台後半まで買われていたものの、発表された経済指標が低調だったことから反落。119円前半までドル安が進んだが、大きな値動きにはならず。軟調な米経済指標を受けてユーロドルは続伸し、一時は1.1468と、約3ヶ月ぶりに高値を付ける。
株式市場は経済指標が低調だったことで、利上げ観測が後退。S&P500は最高値を更新し、ダウは20ドル高。債券相場も経済指標に反応し続伸。長期金利は2.14%台まで低下し、ドルの上値を抑える。金は小幅に続伸し、原油は下落。
5月NY連銀製造業景況指数 → 3.09
4月鉱工業生産 → -0.3%
5月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 88.6
ドル/円 119.19 ~ 119.92
ユーロ/ドル 1.1324 ~ 1.1468
ユーロ/円 135.68 ~ 136.82
NYダウ +20.32 → 18,272.56ドル
GOLD +0.10 → 1,225.30ドル
WTI -0.19 → 59.69ドル
米10年国債 -0.091 → 2.140%
本日の注目イベント
米 5月NAHB住宅市場指数
米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
欧州時間にかけてドル円は119円台後半まで買われたものの、120円台には届かず、その後の低調な米経済指標に119円台前半までドルが売られる展開でした。この日は3つの経済指標が発表されましたが、全て市場予想を下回る内容で、特にミシガン大学消費者マインドは先月よりも大幅に低下し「88.6」でした。そのため、利上げ観測がやや後退し、これまで上昇基調だった長期金利も2.14%台まで低下してドルの重石になっています。
ミシガン大学消費者マインドとNY連銀製造業景況指数は5月分のものです。今年も、そろそろ半年が過ぎようとしているわけですが、年初から続いている低調な経済指標は反発の兆しを見せていません。このままもしばらく低調な環境が続くと、9月利上げの可能性すら後退することも考えられます。現時点では、まだ年内の利上げ観測が消滅するような事態には至っていませんが、今後とも経済指標の結果には、大いに注目する必要があります。
6月16-17日にはFOMCが開催されますが、ブルームバーグの調査によると、多くのエコにミストが、ここで経済成長の見通しを引き下げるだろうと予想しているようです。3月の定例会合で公表されたGDPの予想は中央値が2.5%でしたが、これがマイナス成長に落ち込むと予想する専門機関もあり、FOMCでは下方修正される可能性が高いとみられています。ただ同時に、それでも年内利上げへの意欲を思い留まるほどではないと予想しています。
ドル円は依然としてレンジ内での動きが続いていますが、ユーロドルは120日線(日足)を上抜けして1.14台半ばまで続伸して来ました。2月初めに反発したものの、その後下落して天井を打ったレベルとほぼ同水準まで上昇しています。このレベルから1.15に掛けては、ユーロが一段高に振れるのかどうかを占う意味で重要です。ギリシャ問題が依然として不透明な状況が続いている中、ここまでユーロが買われるということは市場がこの問題を楽観視していることの表れと言えそうです。
それでもギリシャ政府は反緊縮の姿勢は崩していません。ツイプラス首相は17日、「われわれが国民に果たす責務は厳しい緊縮措置を強いられずに、ユーロ圏残留で合意することだ」と語っており、21-22日に行われるEU首脳会議がヤマ場と見られます。
今日のドル円は小動きであれば119円台での推移が予想されますが、株価次第では118円台に突入する可能性もありそうです。それでも、ドルが大きく売られる可能性は低いと見ており、レンジは118円80銭~119円80銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は119円台後半まで買われていたものの、発表された経済指標が低調だったことから反落。119円前半までドル安が進んだが、大きな値動きにはならず。軟調な米経済指標を受けてユーロドルは続伸し、一時は1.1468と、約3ヶ月ぶりに高値を付ける。
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2015-05-18 09:30