中国の「産業構造転換」・・・途上国には「大チャンス」=中国メディア

 中国の経済政治情報サイトの中国改革論壇は15日、世界銀行元チーフエコノミストの林毅夫氏が同日、中国自由貿易区と開放の新段階サミットフォーラムに出席して、中国からの労働集約型産業の転出は他の発展途上国に「千載一遇の発展のチャンスをもたらす」をもたらすと発言した。  林氏は、第2次世界大戦後の経済の推移をみれば、真に成功する経済体は、労働集約型の産業が国際的に動いていく時期を見逃さなかったと指摘。「今の段階の中国は1960年代の日本に相当する。中国の労働集約型の産業は、国外に移転していかねばならない。(中国外にあって)労働集約型産業の移転の戦略的なチャンスをつかんだ者が、急速な発展をすることができる」と主張した。  「一帯一路」とは中国の習近平国家主席が2014年11月に北京で開催されたアジア太平洋経済協力首脳会議で主張した考えで、中国内陸部から中央アジア、欧州につながる「シルクロード経済ベルト(一帯)と、中国沿岸部から東南アジア、南アジア、中近東、アフリカ東岸を結ぶ「21世紀海上シルクロード(一路)」の2つのルートで、インフラ整備、貿易促進、資金の往来を促進する大域振興策だ。  林氏は、中国が提唱する「一帯一路」と「アジアインフラ投資銀行」は、中国が優位である分野と、その他の発展途上国のニーズを組み合わせるものと主張。  「一帯一路」戦略が国際的に評価されている理由としては「中国の外貨準備高が1つの理由だが、主要な理由でも唯一の理由でもない」と主張。中国が、開発プロジェクトの国際的支援に力を入れ、急速に規模を拡大してきたことが、大きな理由と論じた。  林氏によると、中国が国外でうけおった建設プロジェクトの額は、2000年には100億ドルだったが、2014年には1400億ドルに達した。  林氏は、「われわれには資金があり、よく考えられたプロジェクトであるなら実施できる力がある」と述べた。  そして、途上国各国でインフラが整備されれば、中国から労働集約型産業が移っていくことになるので、極めて多くの国が工業化、現代化を迎えることになると述べた。 ********** ◆解説◆  林毅夫氏は1952年生まれ。台湾の宜蘭県の出身。1978年に軍役に就いたが、79年に金門島から厦門(アモイ)までの2キロメートルを泳いで、中国大陸側に亡命した。その後、北京大学に学んで修士号を獲得し、シカゴ大学に龍が気宇して博士号を取得。イェール大学でも学んだ後に北京に戻り、経済の専門家として西側流の経済概念や経済政策の導入などに取り組んだ。2008年から12年9月まで、世界銀行チーフエコノミストを務めた。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:CNSPHOTO、3月に撮影された林毅夫氏)
世界銀行元チーフエコノミストの林毅夫氏が15日、中国からの労働集約型産業の転出は他の発展途上国に「千載一遇の発展のチャンスをもたらす」をもたらすと発言した。(イメージ写真提供:CNSPHOTO、3月に撮影された林毅夫氏)
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2015-05-18 15:15