健康CPはRIZAPけん引役に驚異の成長、今3月期営業利益は前期比2.4倍50億円を計画

 パーソナルトレーニングジム「RIZAP」を展開する健康コーポレーション <2928> (札アン)の業績が驚異の成長を遂げている。「RIZAP」の劇的な効果が話題となり、大胆なプロモーション策と相まって急拡大。連結業績のけん引役となっている。  前3月期の業績は連結売上高が391億100万円(前々期比63.5%増)、営業利益21億800万円(同87.0%増)、経常利益は19億4600万円(同49.3%増)、最終利益は16億3600万円(同39.4%減)となった。RIZAPは元プロボクサーで俳優の赤井英和氏を起用したプロモーションが話題となり、コマーシャルの放映が始まった1月から問い合わせ件数が大幅に増加。積極的な広告宣伝活動の効果で2月、3月と連続して過去最高の月間売上高、利用人数を記録した。旺盛な需要に呼応して急ピッチで進める店舗網の拡大が収益増に直結している。RIZAPを含む美容・健康関連事業は売上高が218億5100万円(前期比44.0%)、営業利益22億2900万円(同68.1%増)となった。  連結業績の成長ドライバーは美容・健康関連事業だが、その他の事業も売上高、事業営業利益とも成長している。アパレル事業では、マタニティウェアや出産内祝いギフトの販売など手掛けるエンジェリーベがカタログの廃止とウェブサイトのリニューアルを行ってネット販売への販路変更を断行。コスト削減効果などで収益構造が改善している。  この期から通期寄与した婦人服の馬里邑も百貨店販売に加えて通信販売を開始したことによる販路拡大の効果が出ており、M&A(企業の合併・買収)関連では婦人服・紳士服のアンティローザの上乗せ分も寄与している。3月末にはマザーズ上場で若い女性向けに衣料品のネット通販を行う夢展望 <3185> (M)を子会社化。スマートフォン経由が全体の85%程度を占めており、そのノウハウをグループ全体に展開することによるシナジー(相乗)効果も期待される。  インテリア雑貨のイデアインターナショナル <3140> (JQ)による住関連ライフスタイル事業も構造改革による収益体質改善と合併による製造機能の強化などを行ってインテリア商品ブランド「ブルーノ」が好調に推移。ゲーム、ボウリングの複合施設を運営するSDエンターテイメント <4650> (JQ)のエンターテイメント事業でも経営効率化が進められている。  今期は売上高601億3000万円(前期比53.8%増)、営業利益50億400万円(同2.4倍)、経常利益46億7900万円(同2.4倍)、最終利益30億5200万円(同86.5%増)を計画する。RIZAPの店舗数を3月末の39店から80程度まで倍増させることで、子会社RIZAPの売上高を200億円程度まで大幅に増加させる計画。2021年3月期を最終年度とする中期経営計画「COMMIT2020」で掲げる売上高3000億円、営業利益350億円の達成に向け、医療分野への進出や海外への本格進出に取り組んでいく。通販事業では「どろあわわ」ブランドのさらなる強化に力を注ぐ。アパレル事業では今期から夢展望が新たに寄与することで収益規模が拡大する見込みにあり、前期に実施した構造改革の効果もより大きく出てくるとみられる。エンターテイメント事業ではRIZAPとの協業によって複合施設でのフィットネス事業を拡大させる構想にあり、各事業でのシナジー効果の増大も期待される情勢にある。(編集担当:徳永浩)
パーソナルトレーニングジム「RIZAP」を展開する健康コーポレーションの業績が驚異の成長を遂げている。
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2015-05-20 10:30