【為替本日の注目点】ドル円上昇には材料不足、ユーロドル動き注目
NY市場
ドル円は東京時間では121円台を維持できなかったものの、欧州からNYにかけてはほぼ121円台で推移。経済指標が予想を下回った割にはドルが堅調。ユーロドルは小動き。ユーロ圏の経済指標でユーロが上昇する場面もあったが続かず、1.11台前半で推移。
株式市場は小幅に上昇。原油価格が上昇したことで、エネルギー株が買われた。S&P500が最高値を更新し、ダウは前日とほぼ変わらず。債券相場は続伸。利上げには不透明感が残るものの、経済指標が低調だったことから債券が買われた。長期金利は2.19%台まで低下。金は反落。原油は連日の大幅高で60ドル台後半まで上昇。
新規失業保険申請件数 → 27.4万件
4月中古住宅販売件数 → 504万件
4月景気先行指標総合指数 → +0.7%
ドル/円 120.94 ~ 121.26
ユーロ/ドル 1.1105 ~ 1.1447
ユーロ/円 134.42 ~ 135.34
NYダウ +0.34 → 18,285.74ドル
GOLD -4.60 → 1,204.10ドル
WTI +1.74 → 60.72ドル
米10年国債 -0.065 → 2.191%
本日の注目イベント
中 中国 4月景気先行指数
独 独1-3月期GDP(改定値)
独 独5月IFO景況指数
米 4月消費者物価指数
加 カナダ3月小売売上高
加 カナダ4月消費者物価指数
ドル円は東京タイムでは久しぶりに121円台ということもあり、ドル売りが優勢な展開から120円82銭近辺までドル安が進んだが、海外市場では再び121円台を回復し底堅い動きを見せています。直ぐに3月10日に記録した122円04銭を試しに行く相場ではないものの、米長期金利が低下した中、ドルは堅調だったと言えます。
昨日のコメントでも述べましたが、前日の住宅関連指標が久し振りに上振れたことでドル円が121円台半ばまで上昇しましたが、これは120円台半ばにあった壁が破られたことで、ストップのドル買いが相場を押し上げたことによるものだと思われます。
しかし、それでも今朝は121円前後で戻って来ています。何かのきっかけで121円台後半までドルが買われるようだと、120-123円の新しいレンジに入った可能性がでてきます。一方でこれから徐々に上値が重くなり、再び120円を割り込むようだと、また元の鞘に戻ることにもなりそうです。
その意味では、本日から来週にかけてどのように動くかはレンジ形成にとって重要です。テクニカルでは「雲」を上抜け(日足)して上昇していることから、上昇トレンドが出てきたと見ることができそうですが、ドル買いをサポートする材料は特に見当たりません。日本の追加緩和は、先日発表された1-3月期のGDPが予想を上回ったことで後退しています。また、米利上げに関しても4月のFOMC議事録では、利上げは急がないことが議論されていました。少なくとも、日米の金融政策ではドルを買う材料にはなっていません。
唯一挙げるとすれば、ユーロドルの動きです。ECBの高官が口をそろえて、量的緩和の強化もあり得ると発言したことで、戻り基調だったユーロドルに急ブレイキを掛けました。ユーロが再び売られドルが買い戻されたことで、ドル円でもドルが買われ、円が売られたと見ることができます。
一目均衡表では先行スパンである「雲」が昨日から「ねじれ」を見せています。ドル上昇を示唆する「先行スパン1」がこれまで「先行スパン2」の下にあったものが、上に来ています。今後この「雲」が拡大するようだとドル高が示現することになりますが、同時に「MACD」の位置もプラス圏に移行する途中ですが、もう少し明確に「ゼロの軸」から上昇する必要があります。今日からの相場展開で、これらがどのような変化をみせるのか注視したいと思います。本日のレンジは120円50銭~121円50銭程度を予想します。
今朝の新聞で、純利益が1000億円を超える企業が61社になったという記事がありました。売上が1000億円でも結構な数字なのに、利益で1000億円というのは見事です。円安株高で企業の財務内容が改善し、積極的にM&Aを行うなど、稼ぐ力をつけたそうです。ただ一方でシャープのような企業もあり、かつて「亀山モデル」と言われた面影は今やありません。まさに栄枯盛衰と言う他ありません。良い週末を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は東京時間では121円台を維持できなかったものの、欧州からNYにかけてはほぼ121円台で推移。経済指標が予想を下回った割にはドルが堅調。ユーロドルは小動き。ユーロ圏の経済指標でユーロが上昇する場面もあったが続かず、1.11台前半で推移。
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2015-05-22 09:45