中国で「生産能力過剰」の鉄鋼業界・・・「海外進出」が解決策=中国メディア

中国メディアの新華社は20日、中国の粗鋼生産量は年間8億トンに達するが、生産能力そのものは12億5000万トン分も存在するとし、鉄鋼産業が抱える生産能力の過剰問題について「問題解消のためには海外進出を進めるという点が業界の共通認識だ」と報じた。
記事は、中国の鉄鋼産業における設備稼働率はわずか65.8%にとどまっていることを指摘したうえで「将来的に中国国内の鋼材需要は大きく減少する見通し」だと伝え、過剰な生産能力を如何に解消するかが急務であると論じた。
さらに、中国鉄鋼業界の年会が20日に行われたことを伝え、各メーカーが「海外進出」を進めることで一致したと紹介した。さらに、中国商務部の関係者の話として、中国の鉄鋼市場では需要が鈍化しているうえに、流通コストも高止まりするなど産業としてのリスクが高まっていると論じた。
また記事は、冶金工業規則研究院の李新創院長の話として「自動車向けなどの高い技術が必要な鋼板も供給が多すぎる状況となっており、特に新疆ウイグル自治区などでは設備稼働率は40%を超える程度にとどまっている」と紹介。さらに、中国国内での鉄鋼需要が減退するにしたがって生産能力の過剰はさらに深刻化する見通しだと伝えた。
続けて、中国の鉄鋼産業が生産能力の過剰を解消するためには「海外に打って出る」ことが1つの道であると伝え、一部の企業はすでに行動を開始していると紹介。2014年の中国の鉄鋼輸出は9378万トンに達し、前年比50%増だったと紹介、特にアジア向けの輸出は6318万トンとなり、全体の67.4%を占めたと伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの新華社は20日、中国の粗鋼生産量は年間8億トンに達するが、生産能力そのものは12億5000万トン分も存在するとし、鉄鋼産業が抱える生産能力の過剰問題について「問題解消のためには海外進出を進めるという点が業界の共通認識だ」と報じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-05-23 15:00