日本やドイツの「品質管理」・・・製造業で成功するカギ=中国メディア

中国メディアの浙江日報は18日、世界金融危機の勃発後、世界各国は製造業の重要性を認識し、製造業の競争における地位を意識するようになったと伝え、中国でも製造業の高度化に向けた戦略が発表されたことを伝えた。
記事は、米国やドイツ、日本で製造業の競争力を高めるための取り組みが進められ、「各国がハイテク製造業の先導性を競っている」と伝えた。さらに開発途上国では人件費の安さなど後発の優位を活かし、中国から製造業の拠点を奪っていると伝え、「中国は一連の変化に対応するため、2025年までに製造業の高度化を実現する戦略を打ち出した」と紹介した。
続けて、中国が世界の工場として今なお製造業の一大拠点であることを指摘する一方、「生産能力の過剰という問題を抱えている」と指摘。さらに、中国が懸念すべきは製造業の規模の縮小ではないとし、「米国やドイツが製造業の高度化に取り組むなか、戦略の焦点は規模の拡大ではなく、質を中心とした競争力の有無に移っている」と論じた。
さらに、中国はスーパーコンピュータや宇宙開発の分野で世界有数の実力を持つとしながらも、「なぜ製造業の競争力を高めることが難しいのだろうか」と疑問を投げかけた。続けて、中国が目指すべき製造強国とは「0から1を実現すること」であり、誰も成し遂げていないことを成し遂げることだと主張。また、現在の中国は製造大国であり、それは「誰かが設計したものを、設計図どおりに生産するだけ」だとし、利益も少なく、製造業としての発言権も小さいと論じた。
また記事は、中国製造業が製造強国になるうえでの3つの課題を挙げ、1つ目として「それなりで良いという考え方」を挙げた。ドイツや日本が製造業で成功したのは厳格な品質管理があったからであるとし、「中国では良しとされる誤差も、ドイツであれば許されるものではない」と論じた。
続けて2つ目の課題として「知的財産権の保護が不十分であること」を挙げ、模倣した者は罰を受けず、革新を成し遂げた者だけが不利益を被っていると指摘し、そのせいでイノベーションが阻害されていると論じた。
また記事は3つ目の課題として「利益をめぐる短絡的な思考」を挙げ、投資から利益を得るまで一定の時間が必要な製造業よりも、手っ取り早く利益を得られる投資などが好まれる風潮があることを批判した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C) Bartlomiej Magierowski /123RF.COM)
中国メディアの浙江日報は18日、世界金融危機の勃発後、世界各国は製造業の重要性を認識し、製造業の競争における地位を意識するようになったと伝え、中国でも製造業の高度化に向けた戦略が正式に発表されたことを伝えた。(イメージ写真提供:(C) Bartlomiej Magierowski /123RF.COM)
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2015-05-23 17:00