【為替本日の注目点】NY株安と急激な円安、投機筋や日経反応注目

 NY市場  円安に弾みが付き、ドル円は一気に123円33銭まで上昇。3月に記録した122円04銭の高値を抜くと同時にドル急上昇。引け値では若干さげたものの、123円台を維持。ドルが買われる中、ユーロドルも1.08台半ばまで下落。ギリシャ問題も大詰めに差し掛かっていることもあり、ユーロ売りが優勢の展開に。  株式市場は続落。経済指標が、どちらかといえば良好だったことや、ドル高が急速に進んだことを嫌気して、ダウは一時1万8000ドルの大台を割り込む。結局190ドル安で終わり、大台は維持。債券相場は上昇。ギリシャ問題への懸念と、30年債が上昇したことで、長期金利は2.14%台に低下。ドル高が進行したことで金、原油は売られる。   4月耐久財受注        → -0.5%  3月FHFA住宅価格指数   → +0.3%  3月ケースシラー住宅価格指数 → +5.04%  4月新築住宅販売件数     → 51.7万件  5月消費者信頼感指数     → 95.4  ドル/円 122.56 ~ 123.33  ユーロ/ドル 1.0864 ~ 1.0940  ユーロ/円 133.66 ~ 134.50  NYダウ -190.48 → 18,041.54ドル  GOLD -17.10 → 1,186.90ドル  WTI -1.69 → 58.03ドル  米10年国債 -0.070 → 2.140%  本日の注目イベント  日 日銀金融政策決定会合議事要旨(4月30日分)   独 G7(ドレスデン)   ドルが急騰しました。昨日の予想レンジを121-122円程度と予想しましたが、予想よりも1円以上も円安が進んだことになります。後講釈になってしまいますが、122円04銭のこれまでの高値を超えると同時に、ドルが一気に上昇しました。これは、これまで118円台半ば~120円台半ばのレンジが長く続いていたことで、エネルギーが相当溜まっていたと考えられます。また新値を抜けたことで、円売りポジションを積み上げていなかったヘッジファンドなどの海外勢が円売りに動いたものと思われます。  123円台前半は、2007年の「パリバショック」以来の水準です。上値を大きく抜けたことで目先のターゲットは2007年6月に記録した124円14銭ということになりますが、冷静に考えて昨日からのドル高は短期的には行き過ぎではないかと思っています。  確かに、先週末のイエレン議長の講演では、年内の利上げが適切だとのコメントでしたが、これには条件があることを忘れてはいけません。想定通りの経済成長が不可欠で、昨日発表された5つの経済指標も好調さが目立つといったものではありません。来週には5月の雇用統計が発表されますが、ここで20万人を大きく超えるようであれば、今後の成長に自信が持てますが、現時点で米景気の先行きに対する楽観論はまだ早計です。  この欄でも再三述べていますが、長い目で見れば125円を超えて行くと予想していますが、急激な円安は政府内からも「円安懸念」が出る可能性があります。また昨日もそうでしたが、ドル高が進んだことでグローバルなビジネスを展開している企業の株価が下がり、ダウなどの株価指数の大幅下落につながります。米国からの「円安批判」が出てくることも十分想定できます。日米の景気や、金融政策の方向性に違いがある以上は、円安は自然の流れです。ただ、急激な、投機的な円安には注意が必要です。  123円台前半まで進んだドル高を受けて、今日の東京市場も値動きは活発になりそうです。NY株安と急激な円安を受けて、本日の日経平均株価がどのような反応を見せるかどうかにも注目です。予想レンジは122円50銭~123円50銭程度と見ますが、海外市場での動きが重要です。ヘッジファンド等が再び円売りポジションを構築し始めたのであれば、結構息の長いトレンドが続くことも考えられます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
円安に弾みが付き、ドル円は一気に123円33銭まで上昇。3月に記録した122円04銭の高値を抜くと同時にドル急上昇。引け値では若干さげたものの、123円台を維持。ドルが買われる中、ユーロドルも1.08台半ばまで下落。ギリシャ問題も大詰めに差し掛かっていることもあり、ユーロ売りが優勢の展開に。
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2015-05-27 09:45