ジャパンフーズは全般地合い悪化の状況でも堅調、好業績や割安感を評価する流れに変化なし

  飲料受託生産大手のジャパンフーズ <2599> の株価は全般地合い悪化の状況でも比較的堅調に推移している。今期(14年3月期)好業績や指標面の割安感を評価して見直される可能性があるだろう。   伊藤忠商事 <8001> 系で飲料受託生産の国内最大手である。品目別には炭酸飲料と茶系飲料を主力として、コーヒー飲料、果汁飲料、機能性飲料、酒類飲料、およびファーストフード店のディスペンサーでサービスされる業務用濃縮飲料(ウーロン茶、アイスコーヒーなど)を製造している。得意先別はアサヒ飲料、キリンビバレッジ、伊藤園 <2593> など大手飲料メーカーで、容器別ではペットボトルが主力だ。   中期経営計画「JUMP2015」の成長戦略では、コアビジネス(飲料受託製造事業)の一段の収益拡大、新規ビジネス事業(海外事業、水宅配事業、自社ブランド商品)の着実な推進を掲げ、目標数値として15年度にコアビジネスの経常利益を21億円、新規ビジネスの経常利益を4億円に拡大する。   コアビジネスの飲料受託製造事業では、飲料メーカーとの関係強化や魅力ある製品の受託製造数量の増加、市場変化・顧客ニーズへの的確な対応、生産効率の向上とコスト競争力の強化、季節変動への対応として製造体制見直しやコスト削減などを進めている。12年7月には本社工場で世界最新鋭の無菌充填ライン(炭酸・非炭酸兼用)が稼動し、14年3月には既存大型ペットボトルラインも設備更新で無菌充填ライン(炭酸・非炭酸兼用)化する。   新規ビジネス関連では、国内で水宅配事業を展開するウォーターネット、中国で飲料受託製造事業を展開する東洋飲料(常熱)有限公司への出資比率を引き上げている。自社ブランド商品に関しては、本社工場がある千葉県産の農林水産物を使用した商品の開発に取り組み、千葉県を中心に販売している。   1月29日に発表した第3四半期累計(4月~12月)の業績(非連結)は前年同期比0.1%増収、同68.2%営業増益、同59.1%経常増益、同58.0%最終増益だった。春の好天や夏の猛暑を背景とする炭酸飲料や茶系飲料の好調、12年7月に稼動した新無菌充填ラインでの増産効果などが寄与して大幅営業増益だった。受託製造数量は容量で同3.8%増、ケース数で同2.7%増となり、いずれも過去最高を記録した。   通期の見通しは10月に通期業績予想を修正したものの売上高が前期比5.4%増の350億円、営業利益が同62.4%増の12億10百万円、経常利益が同52.6%増の12億20百万円、純利益が同43.1%増の7億10百万円としている。新無菌充填ラインによる増産効果などで大幅増益の見込みだ。   なお炭酸飲料や茶系飲料の比率が高いということもあり、春~夏の上半期偏重の収益構造で秋~冬の下期は赤字となるが、四半期ベースで見ると今期第3四半期(10月~12月)営業利益は2億90百万円の赤字で、前期第3四半期の3億74百万円の赤字に比べて営業赤字幅が縮小した。季節変動への対応策も成果が出ている模様であり、通期ベースで好業績が期待される。   来期(15年3月期)についても受託製造数量の増加、12年7月に稼動した新無菌充填ラインでの習熟度向上による生産性上昇効果、さらに14年3月完了予定の既存大型ペットボトルラインの設備更新効果などが寄与して好業績が期待されるだろう。なお株主優待制度については、毎年3月末時点で1単元(100株)以上保有株主に対して、自社製品詰め合わせセットを贈呈している。   株価の動きを見ると、昨年10月の戻り高値1375円から反落し、11月以降は概ね1200円台前半でモミ合う展開だった。しかし12月中~下旬の1200円近辺で下値固めが完了して出直りの動きを強めている。1月29日には第3四半期累計業績を好感して1319円まで上伸する場面があった。好業績を評価して全般地合いが悪化する状況下でも比較的堅調な動きだ。   2月3日の終値1254円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS147円21銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間27円で算出)は2.2%近辺、そして実績PBR(前期実績のBPS1409円99銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると、26週移動平均線を突破して強基調に転換する動きを強めている。指標面の割安感にも見直し余地があり、出直りの動きが本格化して昨年7月高値1600円を目指す流れに変化はないだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
飲料受託生産大手のジャパンフーズ<2599>(東1)の株価は全般地合い悪化の状況でも比較的堅調に推移している。今期(14年3月期)好業績や指標面の割安感を評価して見直される可能性があるだろう。
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2014-02-05 16:45