日本企業は「連敗中」・・・原因「大局観なく臆病」=中国メディア

 中国共産党機関紙「人民日報」は28日「日本式イノベーションはなぜ、意気消沈したか」と題する解説記事を掲載した。日本は「世界標準の樹立競争」で連敗を続けてきたと指摘し、このところの低迷は「視野の狭い技術改良」や「事なかれ主義」などが原因と主張した。  記事は一橋大学の鷲田祐一教授の著作「イノベーションの誤解」を引用し、日本の製造業界は1980年代後半から集積回路、ソフトウエア、インターネット、モバイル分野の世界標準樹立競争で「4連敗した」と指摘。  記事は「日本企業は改良式イノベーションに長じているが、革命的イノベーションは苦手」と主張。たとえば電子レンジにおいて、細かい機能を次々に追加してきたことで「多くの機種が数十種の料理を作れると謳っている」が、消費者がすべてを使いこなすことはまずないと指摘。  日本は人口が1億人以上で市場規模もかなり大きい。しかも先進国で所得も高いので、「自国製品を愛する日本人」は価格が多少高くても「日本製」を選択する。  しかも、日本企業の多くはコスト削減のために「生産拠点を海外、研究開発は日本国内」との戦略を採用した。海外市場の多くでは、価格競争力が極めて重要だ。海外向けの日本製品の多くは「市場の声と切り離された」場所で、開発されることになった。  記事は、日本企業には「優秀な製品なら売れるはず」とのおごりもあったと指摘した。  ただし記事は、日本企業は「隠れたチャンピオン」ではあると指摘。例えば携帯分野で世界的ブランドのアップルやサムソンなども、「重要な部品は日本企業に依存」している状況だ。しかし、日本企業は「技術面での優位性をエンドユーザー獲得につなげられていない」ことも現実だ。  記事はさらに、三洋電機が「歴史の舞台から退場」したことを取り上げ、「各部門は勤勉に仕事をしているかに見える。しかし管理が複雑で部門間の意志疎通は少ない」、「情報伝達の経路が冗長で、経営者が知った時には現場の状況がすでに変化していることも多い」と、日本企業の組織上の問題も指摘した。  さらに、三井物産の安永竜夫社長が54歳で就任した際には「驚きで迎えられた」と紹介。日本では企業の高級幹部の年齢は中国よりも10歳以上も上と指摘し、日本企業では年功序列と事なかれ主義が弊害になっていると主張。1960年代から70年代の日本は松下幸之助氏のような傑出した経営者を輩出したが、現在の日本の企業家はかつてのような国際的影響力を持っていないと指摘。  中国では日本の企業家として孫正義氏が著名だが、記事は同氏について、韓国系であり日本では「異色」と主張した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
中国共産党機関紙「人民日報」は28日「日本式イノベーションはなぜ、意気消沈したか」と題する解説記事を掲載した。日本は「世界標準の樹立競争」で連敗を続けてきたと指摘し、このところの低迷は「視野の狭い技術改良」や「事なかれ主義」などが原因と主張した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-05-28 10:45