【為替本日の注目点】円概ね弱含み、月初め仲値決定後の動きに注目
NY市場
第一四半期GDPは下方修正されたが、年内の利上げ見通しは変わらないとの見方が強く、ドル円は124円台に乗せ、124円10-20銭で越週。ユーロドルは米経済指標の悪化を材料に約1週間ぶりに1.10台に乗せる。ユーロ円でも136円台半ばまでユーロ高が進む。
株式市場は続落。軟調な経済指標に反応した格好だが、結局5月は一進一退の展開が続き、「セル・イン・メイ」は空振りに。ダウは115ドル下げ、1万8000ドル台に。債券相場は続伸。GDPの下方修正を手がかりに買われ、長期金利は約1ヶ月ぶりの低水準を記録。金は大幅に続伸。原油は2ドルを超える上昇で60ドル台を回復。
1-3月期GDP( 改定値 ) → -0.7%
5月シカゴ購買部協会景気指数 → 46.2
5月ミシガン大学消費者信頼感指数(改定値) → 90.7
ドル/円 123.73 ~ 124.19
ユーロ/ドル 1.0954 ~ 1.1006
ユーロ/円 135.80 ~ 136.45
NYダウ -115.44 → 18,010.68ドル
GOLD +1.00 → 1,189.80ドル
WTI +2.62 → 60.30ドル
米10年国債 -0.017 → 2.120%
本日の注目イベント
豪 豪4月住宅建設許可件数
中 中国 5月非製造業PMI(速報値)
中 中国 5月製造業PMI(速報値)
中 中国 5月HSBC製造業PMI(改定値)
独 独5月消費者物価指数(速報値)
米 4月個人所得
米 4月個人支出
米 4月PCEコアデフレーター
米 5月ISM製造業景況指数
米 グアテマラ・ボストン連銀総裁講演
先週から急速にドル高円安が進みましたが、先週末に発表されたシカゴ先物市場での円売り枚数は予想通り、相当増えていました。ネットで6万2000枚を超える「円売り」でしたが、その前の週に比べると約4万枚と、3倍に円売り枚数を増やしたことになります。
個人投資家は、ドルロングの利益を確定したことから、それらのドル売りや実需のドル売りをヘッジファンドなどが吸収した構図になります。投機筋は、ドル円は一段と上昇すると読んでいるようで、円はその他主要通貨に対しては概ね弱含んでいます。彼らのポジションは急速に円売りを増やしていますが、この数字は5月26日(火)時点のもので、ドル円は、それ以降に円安が一段と進んでいることを考えると、円売り枚数はさらに増加しているものと推測されます。
先週はドル高円安が進んだだけではなく、株価の方も上昇し、日経平均株価は「11営業日続伸」し、記録ずくめの上昇を見せています。ドル高と株高が同時に進行しているわけですが、この構図はどちらかが崩れたら脆いことも示唆しています。ドル円は、年後半にむけて125円を超える円安が示現すると予想していますが、足元の動きはスピードが速いのと、長期金利の水準など、ドル高環境が伴っていないことから、注意は必要だと考えています。
今週末は5月の雇用統計です。今回の雇用統計で20万人を大きく超えて雇用者が増加するようだと、9月の利上げ観測がますます高まり、ドルが一段高を見せる可能性はあります。そうなると、環境的にもドルを買う理由も整うと思われますが、その時のNY株式市場の反応にも注意が必要です。
NY株式市場は利上げ観測が高まると上昇を抑えられますが、それでも徐々に利上げを織り込んでくるものと思われます。基本的には利上げは株価にとってはネガティブの材料になりますが、それでも収益が伴ってくれば株価は上昇します。利上げは基本的には、景気が拡大していることの裏返しです。事実「セル・イン・メイ」と言われる、5月のアノマリーも大きな混乱もなく、通過することが出来ました。だだ実際に、利上げが迫ったときにNY株式市場がどのような反応をみせるかは注視する必要があります。
本日は月初めです。決済水準も高いと思われますが、仲値が決まった後の動きに注目です。先週記録した124円46銭を抜くことがで出来るかどうかがポイントです。予想レンジは123円70銭~124円70銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
第一四半期GDPは下方修正されたが、年内の利上げ見通しは変わらないとの見方が強く、ドル円は124円台に乗せ、124円10-20銭で越週。ユーロドルは米経済指標の悪化を材料に約1週間ぶりに1.10台に乗せる。ユーロ円でも136円台半ばまでユーロ高が進む。
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2015-06-01 09:45