【為替本日の注目点】ドル円125円に迫る、株高ドル高の警戒感も

 NY市場  ドル円はISM製造業景況指数が予想を上回ったことで続伸。124円97銭と、ほぼ125円に迫る水準まで円安が進む。ドルが買われたことで、ユーロドルも下落。1.08台後半までユーロ安が進み、前日の1.10台が強力なレジスタンスに。  株式市場は反発。良好な製造業景況指数を好感し、ダウは29ドル高。ナスダックも12ポイント上昇。債券市場は経済指標が良好だったことから反落。長期金利は小幅に上昇し、2.18%台に。金、原油は共に反落。  4月個人所得        → +0.4%  4月個人支出        → 0.0%  4月PCEコアデフレーター → +1.2%  5月ISM製造業景況指数  → 52.8  ドル/円 123.86 ~ 124.92  ユーロ/ドル 1.0887 ~ 1.0979  ユーロ/円 135.50 ~ 136.58  NYダウ +29.69 → 18,040.37ドル  GOLD -1.10 → 1,188.70ドル  WTI -0.10 → 60.20ドル  米10年国債 +0.062 → 2.182%  本日の注目イベント  豪   RBAキャッシュターゲット   日   5月マネタリーベース   独   独5月雇用統計   欧   ユーロ圏5月消費者物価指数(速報値)   欧   ユーロ圏4月生産者物価指数   ドル円は124円台前半が重い展開でしたが、NY市場で5月のISM製造業景況指数が市場予想を上回ると、124円台半ばを超え、一時は124円97銭までドル高円安が進行しました。125円には3銭届かなかったものの、「ほぼ125円」を達成した感があります。テクニカル的にはドルの上昇を示しており、投機筋もドル買いを積みあげており、ドルショートが炙り出される展開になっています。  昨日発表されたISM製造業景況指数は「52.8」と、市場予想の「52.0」に比べ、確かに改善はしていました。また4月の建設支出も「+2.2%」と、市場予想を超えてはいましたが、一方で、PECコアデフレーターは予想を下回る「+1.2%」と、インフレの気配はありません。  それでもドル円は125円に迫るドル高水準にまで上昇しています。どうも、125円を見ないと収まらない相場なのかもしれません。ただ、ここは連日述べていますが、今週末の雇用統計が予想を上振れるなど、明確なドル買い材料不在の中での上昇と見ています。これが相場と言ってしまえば、その通りですが、注意をするに越したことはありません。  いよいよ6月に入りました。ギリシャの支援問題はヤマ場に差し掛かっていますが、依然として合意には至っていません。1日には、ドイツのメルケル首相、フランスのオランド大統領、ユンケル欧州委員長などによるトップ会談が行われたようですが、合意には至っていません。それでも、この日のスペインやイタリア国債とドイツ国債との利回り格差は136bpと、それほど拡大していません。  市場参加者は、ギリシャ問題は最終的には合意すると楽観的に見ているのか、あるいは破綻してもその影響は限定的だと見ているのか、国債の利回りからは危機感は感じられません。ギリシャは5日のIMFへの3億ユーロ(約400億円)の返済を初め、今月中に15億ユーロの返済期限が来ます。今回は、もう時間稼ぎは出来ないはずで、ギリシャ問題は大詰めを迎えることになります。  ドル円は今日にも125円台に乗せる可能性が高そうです。日本株は昨日、小幅ながら「12営業日連騰」を続けており、今日も株価の上昇が見込まれます。ドルの上昇は金利との相関ではなく、株価との相関が強くなっているとの記事もありましたが、「株高、ドル高」の構図がどこまでも続くはずはなく、どちらも警戒感が増していると考えています。本日の予想レンジは、124円30銭~125円50銭程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円はISM製造業景況指数が予想を上回ったことで続伸。124円97銭と、ほぼ125円に迫る水準まで円安が進む。ドルが買われたことで、ユーロドルも下落。1.08台後半までユーロ安が進み、前日の1.10台が強力なレジスタンスに。
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2015-06-02 09:45