長寿日本一・長野県民の半数は「菌類(きのこや発酵食品)」を毎日摂取=食生活と長寿に関する全国3200名調査

 厚生労働省が2013年に発表した「都道府県別生命表」によると、平均寿命で長野県が男女ともに1位となった。長野県民の長寿には、何か秘訣があるのだろうか? 総合マーケティング支援を行うネオマーケティング(東京都渋谷区)は、「食生活」に着目して全国の男女3200名を調査。その結果、「70.1%の長野県民が子どもの頃から『菌類』(きのこや発酵食品)を摂取し、県民の半数強は『菌類』を毎日食べている」ということが判明した。長野県における「菌類」の摂取は、全国平均を大きく上回る結果となり、「菌類」の継続的な摂取が長寿に関係しているのではないかという調査結果をまとめた。  「食生活からみる長寿に関する調査」は、20歳以上の男女を対象に、2015年5月1日~5月12日に実施。長野県と長野県以外の全国7エリア(北海道・東北、関東、北陸、中部、関西、中国・四国、九州・沖縄)で、80代以上は各100名ずつ(本人回答と代理回答)、20代~70代は男女300名ずつ(長野県は合計300名)で合計3200名の回答を集計した。  まず、「肉類」・「魚類」・「穀物類」・「菌類」の摂取頻度を聞いたところ、「肉類」・「魚類」・「穀物類」については長野県とその他46都道府県に摂取頻度にほとんど差がなかったものの、「菌類」については明確な差が出た。  「いつ頃から『菌類』を摂っていますか?」という問いに対し、長野県では「子どもの頃から」という回答が70.1%に上った。全国平均は55.5%だった。全国平均では「成人してから」という回答が30.1%(長野県は19.5%)になったが、「成人してから」を含めても、「菌類」を摂っている比率は、長野県が89.6%と、全国平均の85.6%を上回った。  また、「菌類」の摂取頻度について、長野県は「毎日」が53.3%と、その他46都道府県の40.2%と差が出る結果になっている。「菌類」について、「きのこ類」、「チーズ」、「納豆」に分けて摂取頻度を調べると、「1日に1回以上」という回答が、「きのこ類」では長野県が20.0%、その他都道府県が11.7%。「チーズ」は、長野県が14.8%で、その他都道府県は12.4%、「納豆」は長野県が29.3%で、その他都道府県は22.5%という結果だった。総じて長野県では「菌類」を多く摂っているが、とりわけ「きのこ類」の摂取が目立って多かった。  ところで、普段の食事にどの程度気を遣っているかという質問に対する答えは、「とても気を遣っている」と「やや気を遣っている」を合わせて、長野県は76.3%で、その他都道府県の71.8%と比較して、それほど大きな差はなかった。長野県では無意識のうちに、長寿につながる食材を多く摂っているのかもしれない。  一方、健康状態について70歳以上の男女に聞いた質問に対しては、長野県は「とても良い」と「良い」を合わせて89.3%。その他都道府県では83.1%という結果だった。長野県の高齢者の方が、体調が良いということがわかる。また、70歳以上に「現在通院していますか?」と質問すると、「持病があり定期的に通院している」という回答が長野県では55.3%、その他都道府県では59.2%だった。長野県では持病を持っている人が他の都道府県と比べて少ないこともわかった。  今回の調査結果だけで、長寿や健康の維持と「菌類」の関係を直接結びつけて考えることは難しいかもしれない。ただ、近年、発酵食品やきのこなどから身体に良い菌を積極的に食生活に取り入れ、“カラダの内側から健康になる”という『菌活』がブームになっているが、「菌類」を普段から日常の食生活に取り入れている長野県民が、全国と比較して健康で長寿であるという結果は、『菌活』がブームとなって盛り上がっていることと関連付けて考えることはできそうだ。(編集担当:風間浩)
厚生労働省が2013年に発表した「都道府県別生命表」によると、平均寿命で長野県が男女ともに1位となった。長野県民の長寿には、何か秘訣があるのだろうか?
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2015-06-05 16:00