ユーロや円の資産も増やせ!?・・・海外投資「ポートフォリオ」見直すべき=中国メディア

 中国メディアの捜狐は5日、過去10年間で中国の対外直接投資が増え、資本の純輸出国へと変貌を遂げつつあると指摘する一方、「海外への投資におけるリスクという問題についても注目が集まっている」と論じた。  記事は、中国社会科学院がこのほど実施した中国の海外投資におけるリスク評価報告会において、社会科学院の王永中氏が「中国は米国債への投資を減らし、米国株式への投資を拡大しつつ、ユーロのほか円建て資産の保有額も増やすべき」と述べ、リスク分散を行うべきと指摘したことを紹介。  さらに、社会科学院のリスク評価報告会では、中国企業や政府系ファンドの海外投資という視点で各国経済のファンダメンタルズや債務返済能力、政治リスク、中国との関係などに基づいて判断した各国に対する投資リスクが報告されたことを紹介。さらに社会科学院の張明氏が「ドイツへの投資リスクは2年連続で最低となった」と発表し、アフリカのスーダンへのリスクが最高になったことを紹介した。  続けて、中国の2015年第1四半期における対外直接投資額は257億9000万ドル(約3兆2215億円)で前年同期比29.6%増となったことを紹介し、件数では民間企業による投資が大半だったとしつつも、金額ベースでは全体の約70%が国有企業によるものだったと紹介した。  また、中国が国外に保有する資産の大半は証券投資だと伝え、4兆ドル(約500兆円)に達する外貨準備に比べると規模は小さいと指摘。15年1月末におけるドル建ての証券資産は1兆7900億ドル(約223兆円)となり、株式など高い収益率が期待できる証券の割合は小さく、長期証券の割合が大きいと紹介。  さらに記事は、ドルが強含むなかで中国はドル建てを中心としたポートフォリオを見直し、ユーロや日本円の資産も増やすべきと指摘した。また、中国が2010年から円建ての資産を大幅に増やしたものの、その後の大幅な円安によって10-13年までに計430億ドル(約5兆3713億円)もの損失を出したと紹介。円建て資産への投資におけるミスは円高の時に円建て資産を大量に購入したことにあると指摘する一方、「円はすでに大幅に下落しており、今後さらに下落する余地は小さいため、中国は円建て資産を増やすことを検討すべき」と論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)berlinimpressions /123RF.COM)
中国メディアの捜狐は5日、過去10年間で中国の対外直接投資が増え、資本の純輸出国へと変貌を遂げつつあると指摘する一方、「海外への投資におけるリスクという問題についても注目が集まっている」と論じた。(イメージ写真提供:(C)berlinimpressions /123RF.COM)
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2015-06-06 15:15