SBI、過去最高業績で創業15周年に向けたグループ再編を加速

 SBIホールディングス <8473> は2014年2月5日、2014年3月期第3四半期決算を発表した。営業収益(売上高)は1772億円(前年同期比60.1%増)、営業利益は395億円(同271.1%増)と大幅な増収増益。通期決算では収益が過去最高を更新する見通しになった。決算発表会で同社代表取締役執行役員社長の北尾吉孝氏は、「2014年7月に迎える創業15周年に向け、グループの選択と集中を徹底する組織再編を加速する」と語り、金融サービス事業、アセットマネジメント事業、バイオ関連事業の3事業の一層の成長をめざすとした。  金融サービス事業は、2014年3月期第3四半期累計(4月-12月)の営業収益1090億円(前年同期比41.7%%増)、税前利益284億円(同277.6%増)。国内株式市場が活況になった第1四半期と同等の税前利益を確保した。特に、SBI証券が第3四半期累計で税引前利益251億円(前年同期比196億円増)と全体をけん引。SBIジャパンネクスト証券、SBIリクイディティ・マーケット、SBIモーゲージ、モーニングスターが増益。SBI FXトレード、SBIマネープラザ、住信SBIネット銀行が第3四半期累計で税引前利益が黒字転換。SBI損保も赤字を大幅に縮小するなど、主要企業の業績がそろって順調に推移した。  アセットマネジメント事業は、第3四半期累計の営業収益が590億円(前年同期比105.1%億円増)、税前利益が129億円(同51.2%増)。好調な株式市場を背景に、公正価値評価の変動による損益及び売却損益が業績を押し上げた。また、韓国のSBI貯蓄銀行は、第3四半期累計で営業収益が283億円、営業利益36億円、税引前利益30億円を確保した。  バイオ関連事業は、第3四半期累計の営業収益(売上高)が21億円(前年同期比210.2%増)、税引前利益は13億円の赤字(前年同期は21億円の赤字)と赤字幅が縮小した。SBIバイオテック(出資比率77.25%)の医薬品開発が進捗し、成功報酬やライセンス導出による権利収入が拡大。また、ALA(5-アミノレブリン酸)関連医薬品や健康食品の発売によって収益化が進展している。  第4四半期についても、引き続き金融サービス事業やアセットマネジメント事業が好調を持続するという見通しにあることから、期末の配当金は2013年3月期実績の1株当たり10円を20円に倍増する方針。  北尾氏は、今後の経営方針について、「金融事業については、優秀な人材もそろっているため、現在の経営・体制によって十分な成長が可能」とし、北尾氏自身はバイオ関連事業について、より積極的に関与して事業の成長を促すとした。金融サービス事業では、中国の上海自由貿易試験区において陸家嘴集団、新希望集団と共同で2014年3月上旬に合弁企画会社を設立予定。「認可の速い事業からオンライン金融サービスを提供していく」とした。ロシアのYARバンク(旧オビバンク)は2014年半ばにオンライン銀行としてサービス開始を目指してシステム開発に本格着手。「海外金融サービス事業も一段と深化する」と意欲的に取り組む。  一方、バイオ関連事業の核として研究を進めているALAについて「90以上の大学と共同研究を進め、あらゆる分野への応用が研究される稀有な物質」と高く評価。「これまでの健康分野に貢献した大きな財産といえる『石けん』『抗生物質』『ステロイド』に匹敵するほどの成果を期待させるほど、大きな将来性がある」という見方を示した。「2-3年をかけて、大きな企業価値をもたらす事業へと育成する」と語った。(編集担当:徳永浩)
SBIホールディングス は2014年2月5日、2014年3月期第3四半期決算を発表した。営業収益(売上高)は1772億円(前年同期比60.1%増)、営業利益は395億円(同271.1%増)と大幅な増収増益。通期決算では収益が過去最高を更新する見通しになった。
2014-02-06 17:00