中国の「工業技術」レベルは、英独の「100年」遅れ!?=中国メディア

中国メディアの新京報は7日付で、中国科学院中国現代化研究センターは6日に発表したリポート「中国現代化報告2015」で、「中国の工業水準はドイツや英国より100年ほど遅れており、日本には約60年も遅れている」の見方を示したと報じた。
記事は、中国の工業水準が日本やドイツ、英国よりはるかに立ち遅れているとの報告は「恐らく議論を呼ぶことになる」と伝える一方、同結論は「工業のすべての分野においては的外れだが、一部の分野においては正しいと言える」と論じた。
続けて1つの事例として、湖北省武漢市内において106年間にわたって使用されてきた英国製の水道管は「これまで一度も破裂したことがない」と紹介し、同事例から「工業製品の材料や質という点で英国が中国より100年リードしているとも言える」と論じた。
ただし、同記事は「中国の工業水準が英独より100年遅れている」根拠を、論理的に示したとは言えない内容だ。そのためもあり、インターネットでは同主張を巡る議論が発生した。
人民日報系のニュースサイト「人民網」は8日、同問題を改めて取り上げた。中国現代化研究センターの何伝啓主任は、同時点までの報道には説明不足の点があったとの考えを示した。何主任によると、「中国現代化報告2015」の作成にあたり、「工業生産」、「工業経済」、「工業環境」、「工業要素」などの分野で、計88の項目を設けて、中国の工業水準を世界各国と比較した。
中国が「工業発達レベル」に達したとみなされる項目は全項目中の3.4%、「工業中級発達レベル」は19.3%、「工業初級発達レベル」は67.0%、「工業発達欠落レベル」は10.2%だった。
さらに、2010年における中国の工業発達レベルと先進国の差を「時間に換算」したところ、「英独とは100年差」などの数字となったという。何主任は、「時間換算」は方法によって異なる結論が出ると説明。
中国では、鉄道技術の大きな進歩などを根拠として、「100年差はおかしい」との意見を示す人も多いが、何主任は、一部だけを見て全体像は語れないと指摘。中国の工業には技術面を見ても高い場合、低い場合、他国の模倣の場合などがあり、全体的に見れば、中国の工業にはアンバランスな面が多いと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの新京報は7日付で、中国科学院中国現代化研究センターは6日に発表したリポート「中国現代化報告2015」で、「中国の工業水準はドイツや英国より100年ほど遅れており、日本には約60年も遅れている」の見方を示したと報じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-06-09 10:15