【為替本日の注目点】アジア株下落で上値の重さを意識、株価に注目

 NY市場  ドル円は日本株を含むアジア株の下落で上値の重い展開。欧州時間には124円を割り込み、123円80銭台までドル売りが進んだが、NYでは米長期金利の上昇などから124円台前半で推移。ユーロドルは方向感がない中、ギリシャ問題の進展具合を探る展開。1.12台で推移し、ギリシャからの提案も債権国側には受け入れられず。  株式市場は前日と変わらずほぼ横ばい。ダウは2ドル下落し4日続落だったが、S&P500は僅かにプラスで引ける。債券相場は反落。3年債入札が低調だったことや、利上げ観測の広がりから売られ、長期金利は2.44%台まで上昇。金は続伸。原油価格も2ドル上昇し、60ドル台を回復。  ドル/円 124.02 ~ 124.44  ユーロ/ドル 1.1214 ~ 1.1291  ユーロ/円 139.38 ~ 140.42  NYダウ -2.51 → 17,764.04ドル  GOLD +4.00 → 1,177.60ドル  WTI +2.00 → 60.14ドル  米10年国債 +0.044→ 2.438%  本日の注目イベント  英   英4月鉱工業生産   米   5月財政収支   昨日はドル円の上値が重い展開でした。日本株は前日比360円も下げ、その他のアジア株も下げたことで、欧州市場では124円を割り込み123円86銭までドルが売られました。先週末の雇用統計後に記録した125円86銭から、丁度2円下落したことになります。  NY市場では123円台を観ることが出来ず、124円台での推移に終始しましたが、今日の東京時間で昨日と同じように株価が下落傾向を見せ、2万円の大台を大きく割りこむようだと再び124円割れがあるかもしれません。市場のセンチメントは少なくとも先週とは異なり、上値の重さを意識する雰囲気です。  今日は材料的にもインパクトのあるものはないため、やはり株価を睨んでの展開になりそうです。特に、NYの株価が気になります。昨日の動きを見るとやや下げ止まり感も出てきたような気もしますが、NYダウは小幅ですが4日続落。S&P500が小幅ながらプラスで終わったことで、やや期待も持てますが、ここから大幅な下げを見せるようだと、日本株も影響を受けないわけには行きません。株安、ドル安の連鎖が起きる可能性もあります。  それでも、ドルがここから大きく下げる可能性は低いと予想しています。米長期金利がじわじわと上昇傾向を示しているからです。年内の利上げは確実との見方が広がっていることで、債券には下落圧力が掛かっています。米金利が上昇傾向を見せている限り、ドル大幅下落のリスクは小さいと思われます。NY株式市場もいずれは利上げを織り込み、景気拡大というプラス材料として受け入れることも考えられます。  ギリシャの支援問題が膠着状態から進展しません。ギリシャ政府は9日修正案を提出しましたが、この内容が従来に比べ後退したとして受け入れられませんでした。これにより、現行の救済プログラムが終了する30日より前に合意できる可能性はますます遠のいたようです。それでも欧州委員会でユーロ問題を担当する副委員長は「今後数日に合意に達するのは不可能ではない」とブルームバーグは伝えています。  本日10日には、ドイツのメルケル首相と、フランスのオランド大統領がブリッセルで開く国際会議の場でギリシャのチプラス首相と会談することになっているようで、トップ会談で合意できるかどうかの可能性を探る話し合いになりそうです。上でも述べたように、本日は株価の動きが最もインパクトのある材料になりそうです。予想レンジは123円70銭~124円80銭程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は日本株を含むアジア株の下落で上値の重い展開。欧州時間には124円を割り込み、123円80銭台までドル売りが進んだが、NYでは米長期金利の上昇などから124円台前半で推移。ユーロドルは方向感がない中、ギリシャ問題の進展具合を探る展開。1.12台で推移し、ギリシャからの提案も債権国側には受け入れられず。
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2015-06-10 09:30