【為替本日の注目点】雇用統計強め予想で円売りドル買い、ECB据え置きユーロ急騰
NY市場
ドル円は今週月曜日以来の102円台乗せを示現。ECBが追加利緩和策を発表しなかったことからユーロ円などが急速に値を戻し、ドル円でもドル買い円売りが進行。長期金利の上昇や、今夜の雇用統計ではやや強めの内容になるとの予想がドル高につながった。
ECBは政策会合で金利据え置きを決定。ユーロドルはこの決定を受け1.35台前半から100ポイントほど上昇。ドラギ総裁は会見で今後の利下げの可能性も否定せず。
株式市場は大幅に反発。失業保険申請件数や決算発表を好感しダウは今年最大の上げ幅となる188ドル高を記録。
債券相場は3日続落。雇用者数が強めになるとの観測や、株高から売り優勢の展開となり、10年債利回りは2.7%台まで上昇。
金は続伸、原油価格も3日続伸。
12月貿易収支 → 387億ドルの赤字
新規失業保険申請件数 → 33.1万件
ドル/円 101.25 ~102.17
ユーロ/ドル 1.3482 ~ 1.3619
ユーロ/円 136.75 ~ 138.81
NYダウ +188.30 → 15,628.53ドル
GOLD +0.30 → 1,257.20ドル
WTI +0.46 → 97.84ドル
米10年国債 +0.032 → 2.700%
本日の注目イベント
日 12月景気動向指数
中 中国 1月サービス製造業PMI
独 独12月貿易収支
独 独12月鉱工業生産
欧 メルシュ・ECB理事講演
英 英12月鉱工業生産
米 1月雇用統計
米 連邦政府の債務上限の摘用停止期限
加 カナダ1月失業率
今年に入ってドル円は高値から約4円60銭程の下落を見せましたが、その最大の理由の一つである米国株価の下落が止まったことで、ドル円は102円台を回復し、102円17銭まで反発しました。NYダウは一時200ドル近い上昇を見せ、結局前日比188ドル高で引け、今年に入って最大の上げ幅を記録しています。
昨夜のドル反発ではそれ程決定的な材料があったとは思えませんが、経済指標では新規失業保険申請件数が33.1万件と好調だったことに加え、今夜の雇用統計では雇用者数が強めになるとの見方が広がったようです。債券相場の下落に伴い、長期金利も上昇し一時2.75%付近まで上昇したことも円売りドル買いを後押ししたようです。この結果、短期的な動きを表す「1時間足」チャートを見ると、ローソク足は「120日線」は完全に上抜けし、「200日線」のある位置まで上昇しています。まだ完全に抜け切れているとは言えませんが、今日の東京時間で102円30銭を超えることができれば「上抜け完成」ということになり、もはや「1時間足」チャートは意味を持たなくなります。
ECBは大方の予想通り政策金利の据え置きを決めました。一部には0.1%の引き下げ観測もあり、据え置き決定後はユーロが急速に買い戻される展開でした。ドラギ総裁は記者会見で「今日、行動しないことを決めた理由は実のところ、状況の複雑さと、さらなる情報の必要性だ」と説明しています。非常に解りやすい説明であると同時に、現在ECBか直面している状況を端的に言い表しているものです。
ユーロ圏では物価上昇の勢いがなく1月の消費者物価指数は0.7%に留まっています。物価上昇率の目標である2%前後の半分以下で、「ディスインフレ」に陥っていると見られます。そのため、政策金利を引き下げても、さらに物価が下落するリスクがあり、行動を起こしにくいと見られます。ユーロ圏では債務危機から緊縮財政政策がとられ、これが長い間マイナス成長率につがった経緯があります。
そこでECBは緊縮財政から景気刺激策へと政策を変更し、成長率も直近ではようやくプラスに転じています。しかし、このままでは物価が下落に向かい「日本化が懸念される」状況から、景気刺激策から物価上昇を促す政策を志向しているものと考えられます。ドラギ総裁はその判断のためにさらなる経済データが必要だとのメッセージを発したと見られます。
新興国通貨の下落はひとまず収まり、急落を続けていたNY株式市場も下げ止まっています。また、安全資産である米国債も利益確定の売りに押されています。全般的に市場はやや落ち着きを取り戻したとみる事ができそうですが、これは一時的に小康状態を保っていると考えた方が無難です。今夜発表の雇用統計次第ということですが、昨日のNY市場では「強めの内容になる」といった観測が広がったようです。市場予想は18万5千人の増加ですが、欧州系の銀行では19万人を超えると予想しているところもあります。
本日のドル円は上述のように、「200日線」がある102円10-20銭を明確に抜けるかどうかが目先のポイントになります。予想レンジは、雇用統計のブレを考えて101円20銭~102円80銭程度を見ています。
昨年1年の「振り込め詐欺」の被害が過去最高を更新していた、という記事を読みました。昨年の都内の被害件数は2404件で、被害額は約66億7000万だそうです。これは単純に計算すると、毎月200件の被害件数で、5億5000万円の大金をだまし取られていることになります。しかも手口がますます巧妙になり、1件あたりの被害額も増えているようです。高齢者の「息子思い」(孫思い)の優しい気持ちを悪用する、何とも許し難い犯罪です。騙されないよう、日ごろから子供(孫)とのコミュニケーションが欠かせません。良い週末を・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は今週月曜日以来の102円台乗せを示現。ECBが追加利緩和策を発表しなかったことからユーロ円などが急速に値を戻し、ドル円でもドル買い円売りが進行。長期金利の上昇や、今夜の雇用統計ではやや強めの内容になるとの予想がドル高につながった。
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2014-02-07 09:45