韓国経済、袋小路?・・・あれやこれやの「悪材料」=韓国メディア

韓国メディアの聯合ニュースは14日、韓国経済において「生産・消費・投資・輸出」の4部門が不振となっているなか、「MERS(中東呼吸器症候群)コロナウイルス」の直撃までうけ、さらに干ばつが深刻化しているとし、韓国経済は今、「泣きっ面に蜂」状態であると報じた。
記事によると、現在、韓国国内の経済を最も脅かしている悪材料はMERSだと指摘。6月に入り、感染者が急速に拡大したMERSは、輸出が5ヶ月連続で減少するなかで回復の兆しをみせた内需を急激に凍らせたほか、小売売上高においても、MERSの感染者が確認される前までは増加していたものの、確認された後には、一気に減少。デパートと大型スーパーの売上高は16.5%と3.4%の減少を見せ、映画館の入場者数と遊園地の入場者数はそれぞれ、55%と60%減少したと伝えた。
続けて記事は、今後もMERSの感染拡大が続けば、夏季休暇などにおいて、団体イベントなどの延期、キャンセルは増加するほか、大手企業においても生産現場にMERSが拡大することを恐れて、やむをえず、生産施設の稼働を停止する場合もあるだろうと報じた。
また記事は、韓国国内では、今年に入ってから続いている干ばつのせいで、農家や庶民の家計事情もさらに厳しくなっていると指摘。韓国農水産食品流通公社の8日の集計を見ると、一年前と比較した野菜類の平均卸価格(1キロあたり)は、キャベツが185%の値上がりをみせたほか、ネギは120%、ほうれん草は54%、玉葱は48%、大根は41%であったとし、これら値上がりが消費縮小などにつながっていると報じた。
加えて記事は、韓国国民の家計負債について言及。韓国銀行が最近、基準金利を過去最低水準である年間で1.5%に引き下げたが、すでに1100兆ウォン(約121兆円)を超えている家計負債は、ますます増えるものと見られ、深刻化していくだろうと伝えた。
さらに記事は、韓国経済において、対外要因として最も脅威となるのは「米国の年内の利上げ」であると指摘。韓国は他の新興国とは違い、外貨準備高、経常収支の黒字など、対外の健全性は良く、大きな心配はないという見方である一方、新興国で通貨危機が発生した場合、韓国内でも大規模な資本流出が発生する可能性を排除することはできないとし、緊張の糸を緩めることができないと伝えた。
最後に記事は、韓国の輸出の足かせとなっているものとして「世界景気の鈍化と円安」をあげたほか、中国と新興国の経済状態も良くないとし、新興国の景気が鈍化することにより、すでに低迷している韓国の輸出はさらに悪化するであろうと報じた。
これらに対し、韓国開発研究院(KDI)のキム・テソン研究委員は「家計負債がすぐには問題とはならないだろうが、どうなっていくかわからない事案だ」と述べたほか、韓国・延世大学のキム・ジョンシク教授は「2004年に米国の金利引き上げ時には、韓国は国内の景気浮揚策として金利を引き下げたが、危機を経験した」とし「米国が15年9月から10月に金利を引き上げたら、韓国は国内の金利はどのように運用するのか、綿密な計画を立てなければならない」と述べたと報じた。(編集担当:木村友乃)(イメージ写真提供:123RF)
韓国メディアの聯合ニュースは14日、韓国経済において「生産・消費・投資・輸出」の4部門が不振となっている中、「MERS(中東呼吸器症候群)コロナウイルス」の直撃までうけ、さらに干ばつが深刻化しているとし、韓国経済は今、「泣きっ面に蜂」状態であると報じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-06-14 11:45