【為替本日の注目点】ユーロ窓を開けて取引開始、ギリシャ山場迫る
NY市場
ドル円は123円台で推移。ギリシャ問題が不透明なことでユーロが売られ、ユーロ円も売られた影響からやや軟調となり123円台半ばで越週。ユーロドルは下落。合意への道のりが長く、今月末の資金繰りが厳しくなるとの見方からユーロは売られ、1.12台割れも。
ギリシャ問題の進展が見られないことから株式市場は反落。ダウは140ドル下落し、1万8000ドルの大台を3日ぶりに割り込む。債券相場は小幅安ながら10年債は横ばい。長期金利も2.39%台でほぼ変わらず。金、原油は小幅に続落。
5月生産者物価指数 →+0.5%
6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)→94.6
ドル/円 123.14 ~ 123.77
ユーロ/ドル 1.1197 ~ 1.1296
ユーロ/円 138.44 ~ 139.31
NYダウ -140.53 → 17,898.84ドル
GOLD -1.20 → 1,179.20ドル
WTI -0.81 → 59.96ドル
米10年国債 +0.010 → 2.390%
本日の注目イベント
欧 ユーロ圏4月貿易収支
欧 ドラギ・ECB総裁、欧州委員会で公聴会
米 6月NY連銀製造業景気指数
米 5月鉱工業生産
米 6月NAHB住宅市場指数
ドル円は123円台でやや落ちついた動きになっています。先週末のNY市場でも、ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を上回る「94.6」だったものの、市場の反応は限定的で、今週開催されるFOMCを見極めたいとする雰囲気が優勢でした。
ドル円は123円14銭まで下落する場面もありましたが、ユーロ円の売りに押された格好でした。ギリシャへの支援問題は、10日チプラス首相と独仏とのトップ会談でも歩み寄りが見られず、続く11日にはEUのユンケル欧州委員長とも会談しましたが、ここでも平行線に終わっています。
さらに14日、ブリュッセルで行われた債権者との大詰めの交渉はわずか45分で終了しています。ブルームバーグニュースによると、両者の意見の隔たりが埋まらないまま、話し合いは決裂したようです。そのため、今朝のオセアニア市場ではユーロドルやユーロ円は「窓」を開けて取引が開始されています。
ギリシャはIMFへの支払いを6月末に引き延ばしたこともあり、今月末に約72億ユーロ(約1兆円)の支払い期限が来ます。今週18日にはルクセンブルクで、ユーロ圏財務相会合が開かれるため、ここで合意できるかどうかが、デフォルトを回避できるかどうかのヤマ場になるとの見方が強まっています。
これまで時間稼ぎをしてきたチプラス首相も反緊縮財政を取るのか、あるいは破綻の道を選ぶのかいよいよ決断を迫られることになりそうです。ドイツのガブリエル経済相は「ギリシャのユーロ圏離脱といった影が一段とはっきる見えるようになりつつある」と述べており、同経済相は15日独ビルト紙に寄稿し「ギリシャへの忍耐は限界に達している」との意見を載せています。
今週は18日にはFOMCが開催され、会合後にイエレン議長の記者会見が予定されています。足元では9月の利上げの可能性が高まっているだけに、利上げに向けた何らかのメッセージがあるかどうかが焦点になります。また上述のように、この日にはユーロ圏財務相会合が開かれ、ここでの交渉の行方も相場に大きな影響を与えそうです。
週末には日銀金融政策決定会合が開かれます。今回も政策変更はないと見られますが、会合後の黒田総裁の記者会見はいつもにも増して注目されそうです。先週、国会で「ここからさらに円安はありそうにない」と発言したこともあり、その真意が確認できるかもしれないからです。本日の予想レンジは122円80銭~123円80銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は123円台で推移。ギリシャ問題が不透明なことでユーロが売られ、ユーロ円も売られた影響からやや軟調となり123円台半ばで越週。ユーロドルは下落。合意への道のりが長く、今月末の資金繰りが厳しくなるとの見方からユーロは売られ、1.12台割れも。
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2015-06-15 09:30