中国製造業の一流化・・・実現は「遥かな道のり」=中国メディア

 中国メディアの荊楚網は13日、中国政府が打ち出した、製造業を「世界でも一流」の水準に押し上げる計画は困難も大きく、「遥かな道のり」になると報じた。  中国政府は5月、製造業発展のガイドラインである「中国製造2025」を発表した。同ガイドラインによると、2025年までに「製造業の『資質』の大幅向上」、「イノベーション能力の明らかな増強」、「労働生産性の明らかな向上」を、中華人民共和国成立100周年の2049年には「製造大国の地位はさらに強固。製造業先進国でトップクラス」の実現を目指す。  中国当局を大きく刺激したのは、2011年に発表され、政府の発展戦略として採用された「インダストリー4.0」だ。  同戦略は製造業の発展を「機械化」、「電気化」、「自動化」の段階を経てきたとし、ドイツは第4段階である「知能化」の全面実現を目指すとしている。  荊楚網の記事は、産業ロボットの導入や製造を例に、中国は先進国と比べれば「工業化の過程も完了していない」、「製造設備から製品に至るまで、他国に大きな差をつけられており、中核的技術もない」、「目先の利益ばかりを追う。これは中国の製造業全般に見られる病気だ」と指摘した。  記事はさらに、中国がドイツから多くを吸収しようとしていると指摘した上で、すでに全面的に「インダストリー3.0」の段階に到達しているドイツの方法をそのまま模倣することは不可と主張した。  自国の状況については、いまだに「2.0」の段階にとどまる製造の現場も多いと指摘。さらに、労働者の教養レベルも全体的に低すぎるので、デジタルコントロールなどには適応が困難であることも製造業の「知能化」の実現の障害になっていると指摘した。 ********** ◆解説◆  中国では2014年ごろから、自国の製造業の問題点を指摘する声が強くなった。大きなきっかけは、コスト面で東南アジア諸国の製品への対抗が難しくなったことだ。15年になると日本を訪れる中国人が日本製品を「爆買い」したことで、自国製品の信頼のなさが注目された。  日本の製造業については、労働者の勤勉さや責任感、企業が増収増益やシェア拡大ばかりに目を奪われないことが注目された。5月には自国政府が長期発展戦略を明らかにしたことで、ドイツの発展戦略も注目されることになった。  自国の「技術力問題」についてはこれまで、米国などが高度技術の移転を拒んでいることを理由とする「自国=被害者論」が盛んに口にされたが、現在は自国自身の問題として直視する論調が目立つ。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C) Zhang Yongxin /123RF.COM)
中国メディアの荊楚網は13日、中国政府が打ち出した、製造業を「世界でも一流」の水準に押し上げる計画は困難も大きく、「遥かな道のり」になると報じた。(イメージ写真提供:(C) Zhang Yongxin /123RF.COM)
china,economic,industry,
2015-06-15 15:45