【為替本日の注目点】ドル円横ばい、ドラギ総裁ギリシャへ圧力強化
NY市場
ドル円はほぼ横ばい。経済指標が予想を下回ったが、FOMCを控え様子見ムードが強まり取引は閑散。ドル円は123円台前半から半ばで、値幅も出ず小動き。ユーロドルはギリシャ問題が意識されながらも、米経済指標の悪化でドルが売られユーロが上昇。1.12台前半から1.13目前までユーロが買われた。
株式市場は続落。ギリシャ問題への懸念に加え、NY連銀製造業景況指数などが予想を下回ったことで売り圧力が強まった。ダウは先週末に続き100ドルを超える下落となる。債券相場は反発。ギリシャのデフォルト・リスクが高まったとの見方から安全資産の債券が買われた。長期金利は2.35%台に低下。ドルが売られたことで金は3日ぶりに反発。原油は小幅に続落。
6月NY連銀製造業景気指数 → -1.98%
5月鉱工業生産 → -0.2%
6月NAHB住宅市場指数 → 59
ドル/円 123.30 ~ 123.54
ユーロ/ドル 1.1205 ~ 1.1295
ユーロ/円 138.34 ~ 139.35
NYダウ -107.67 → 17,791.17ドル
GOLD +6.60 → 1,185.80ドル
WTI -0.44 → 59.52ドル
米10年国債 -0.031 → 2.359%
本日の注目イベント
豪 RBA議事録
独 独5月消費者物価指数(改定値)
独 独6月ZEW景況感指数
英 英5月消費者物価指数
米 5月住宅着工件数
米 議会予算局、連邦財政の長期見通し発表
ドル円は昨日の東京時間から123円台で推移し、NYでも同じような動きでした。NYでの値幅も珍しく25銭程度で、FOMCを控えているとはいえ極めて閑散でした。先週の黒田発言から、125円台が意識され、上値の重い展開となる一方、米利上げ観測の高まりから、下値でのドル買い需要もあるようで、昨日のように二つの経済指標が予想を下回り、さらに長期金利も低下した割にはドルが下がりません。
NY連銀製造業景況指数は「-1.9%」で、さらに鉱工業生産も「-0.2%」と冴えない結果でした。特に鉱工業生産は、石油・ガスの掘削が前月比7.9%低下するなど、エネルギー生産の落ち込みが厳しかったようです。
NY株式市場も続落し、ダウは2日連続で100ドルを超える下落を見せるなど、利上げが意識されていることで、一進一退を繰り返しながらも下落している印象です。日本株が好調とはいえ、それでも2万円を少し超えたところで足踏み状態なのは、やはり軟調な米国株の影響を受けていると見られます。
ECBのドラギ総裁は昨日、欧州議会で公聴会に出席し、ギリシャ問題について意見を述べています。総裁は、欧州には「強力で包括的な合意が必要だ。それも早急に必要だ」と述べ、「全当事者がさらに努力することが必要だが、ボールは明らかにギリシャ側にあり、必要な措置を取るのはギリシャ政府の仕事だ」と、ギリシャへの圧力を強化した発言を行っています。ギリシャは今月末にも72億ユーロ(約1兆円)の債務期限を抱えており、このままでは資金繰りが極めて困難な状況です。
今週18日にはユーロ圏財務相会合が開かれ、そこでの協議がヤマ場になるとの見方が強まっていますが、来週25日にもEU首脳会議があります。ブルームバーグニュースによると、18日の財務相会合に先立ち、本日にも電話協議を行うようですが、残された日数は10日です。
本日も東京時間は静かな取引になりそうです。昨日とほぼ水準が同じ上、FOMCと日銀金融政策決定会合を控えており、動きにくい状況です。予想レンジは昨日と同じ123円~124円程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円はほぼ横ばい。経済指標が予想を下回ったが、FOMCを控え様子見ムードが強まり取引は閑散。ドル円は123円台前半から半ばで、値幅も出ず小動き。ユーロドルはギリシャ問題が意識されながらも、米経済指標の悪化でドルが売られユーロが上昇。1.12台前半から1.13目前までユーロが買われた。
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2015-06-16 09:30