中国の共働き、子育てに対する価値観(1)

一人っ子政策を取り続けて来た中国、その大切な子どもをどのように育てているのでしょうか?
今日は中国の子育て、共働きに対する見方や価値観をご紹介します。(あくまでも福建省福州市近辺の価値観です。広い中国、省が違えばもう国が違うようなものです。文化や価値観もそれぞれ異なりますのであしからず)
■子どもは宝?
どの国でも「子は宝」この認識は共通しているかと思います。ましてや基本が一人っ子の中国ではなおさら……かと思いきや、実はそうでもないようです。良く言えば「おおらか」、悪く言えば「放任主義」、そもそも日本と違って「しつけ」という概念がないように感じる場面が多々あります。
例えば、日本だと小さな子どもでも何か悪いことをしたら叱って教えますよね。その点こちらの親は全く放任で、他人に迷惑をかけていても気にしません。よく聞くのは「だって、まだ小さいからわからないでしょ。大きくなったら自然にわかるようになるわ」とか……。
とにかく、「できるだけ子どもと一緒にいる時間を」とかいう考えはないようです。というか見る限り、「しつけなんて根気のいる面倒くさいことはしたくない」という意識も見え隠れします。
■子どもはおじいちゃん、おばあちゃんが見る
それよりも何よりも大切なのは「お金儲け」。というわけで、子どもはおじいちゃんおばあちゃんに預けて、みな共働きです。「専業主婦」なんて言葉や概念はここにはありません。
中には家で子どもをしっかり育てたい、という人もいるにはいるのですが、普通はそんなこと言おうものなら親から、つまり子どもの祖父母から「何考えてんの! 子どもは私たちが見るからそんな時間があったらしっかり稼ぎなさい!」と怒られてしまいます。
ここら辺りは海外に出稼ぎに出ている人もかなりいますから、子供が生まれたら実家に預けて2人とも海外へ出稼ぎ、そのまま十数年帰らない、というケースもままあります。10代になっていきなり初めて会う人が「お父さんだよ」と言ってくるわけですから、日本では考えられないですよね。
私の周りにも、「日本で働いている娘が出産し、子供を預けに来てまた日本に帰ったので、いきなり子育てをする羽目になったお母さん」とか、「小さいころから親戚の家に預けられて育ち、10代になってから一緒に住むようになったため、両親とのコミュニケーションがとれない女の子」とか普通にいます。
おじいちゃんおばあちゃんも、責任を持ってしっかり育てるかというとそうでもなく、例によってしつけるでもなく「学校に行かせて食べさせていればいい」というような育て方です。
中国は最近まで経済的に苦しく、福祉も充実していなかったため、「稼げる時に少しでも多く稼ぐ」が主な関心事で、家庭にまで注意を向ける余裕がなかったのだと思いますが、その名残が今も残っています。そんな中でたくましく育っている中国の子どもたちには、ぜひ頑張ってほしいです。次回は中国の子育て観についてもう少しご紹介したいと思います。(執筆者:高山 翔 提供:中国ビジネスヘッドライン)
今日は中国の子育て、共働きに対する見方や価値観をご紹介します。(あくまでも福建省福州市近辺の価値観です。広い中国、省が違えばもう国が違うようなものです。文化や価値観もそれぞれ異なりますのであしからず。)
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2015-06-17 13:00