【ETF2013】NISAメリットを最大限に生かすETF活用

モーニングスターは2013年12月8日、東京国際フォーラムで「モーニングスター ETFカンファレンス2013」を開催し、800席の会場が満席になる盛況になった。基調講演を行ったモーニングスター代表取締役社長、朝倉智也氏は、「NISA(少額投資非課税制度)では、非課税メリットを十分に享受するために、運用コストを意識した商品選択が重要になる」と語り、低コストで分散投資が可能なETF(Exchange Traded Funds:上場投資信託)の有効性を強調した。
朝倉氏は、「分散投資は、年率5%前後の収益を安定的に獲得することをめざすため、昨今のように日経平均が1年間で50%以上も値上がりするような相場を目の当たりにすると、“退屈な運用”に思えるかもしれない。ただ、日経平均が50%以上も値上がりするのは41年ぶりの特別なこと。中長期の資産形成を考えて、投資満足度が高いポートフォリオ運用のメリットを、改めて考えていただきたい」と、NISA開始を前に、日本株への注目度が、かつてなく盛り上がっている現状に警鐘を鳴らした。
そして、NISAによって株式や投信の運用益や配当金に対する20%課税が、年間100万円までの投資金額には非課税となる制度を考えると、「投信の3%の販売手数料や、1.5%の信託報酬(運用資産に応じて毎年必要な運用手数料)などの運用に関わるコスト(費用)を抑えることは、これまで以上に重要になる」と指摘する。
投資商品の運用コストを重視すると、アクティブ運用の投信より、インデックスファンドの方に優位性があり、さらに、株式と同等の手数料で投資ができる国内市場に上場するETFの優位性が際立つと解説した。すでに、国内上場ETFは約170銘柄を数え、様々な指標に連動する商品が1万円前後で購入可能になっている。3400銘柄を超える上場株式や、公募投信で4800本を超える投信と比較すると、ETFの銘柄数は少ないが、1単位当たりの投資金額が小さいため、株式や投信にETFを組み合わせて投資することも可能だ。また、海外に上場するETFの活用を考えると、自由で自在なポートフォリオの構築も可能になる。
朝倉氏は、米国で有力な金融商品販売チャネルになっているIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)が、1回あたり1万円程度のコンサルタント費用を得ながらETFによる分散ポートフォリオ提案を活発に行っている事例をひき、「日本では、手数料が小さいETFは、無料でアドバイスする証券会社の販売員が積極的にすすめないため、ETFの市場が大きくなっていない。日本では、自分でコストが抑えられる商品を選んで、自分自身で納得できるポートフォリオをつくることが重要になる」と語った。
その上で、NISAを通じた投資商品の選択のポイントを、(1)目先の相場を予測して投資をしない、(2)分散投資をする、(3)最大限にコストを抑えた商品を選択する、(4)買いコスト(購入時価)を意識しないため、時間分散を図る、(5)自分自身でポートフォリオをつくる――と統括した。「どんな上昇相場を前にしても、分散投資を堅持することによって、NISAの非課税メリットを最大限に活用しましょう」と呼びかけた。(編集担当:徳永浩)
モーニングスターは2013年12月8日、東京国際フォーラムで「モーニングスター ETFカンファレンス2013」を開催し、800席の会場が満席になる盛況になった。基調講演を行ったモーニングスター代表取締役社長、朝倉智也氏は、「NISA(少額投資非課税制度)では、非課税メリットを十分に享受するために、運用コストを意識した商品選択が重要になる」と語り、低コストで分散投資が可能なETF(Exchange Traded Funds:上場投資信託)の有効性を強調した。
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2013-12-09 11:15