「スーパー高速鉄道」構想・・・時速1000km必要か?=中国メディア

中国メディア・太行軍事網は15日、活況を呈している中国高速鉄道業界が、時速1000キロメートルレベルの「スーパー高速鉄道」にまで食指を伸ばしつつある状況について「本当に必要なのか」と疑問を呈し、危機感を示す評論記事を掲載した。
記事は、国内路線の急速な整備とともに国外への積極的な売り込みを行っている中国高速鉄道の発展ぶりについて「喜ばしいことである」とし、「技術の吸収、融合、革新」というモデルの成功が証明されたと論じた。
そのうえで、「スーパー高速鉄道」の概念が世界で広まるなか、中国の業界関係者もこの概念に注目し始めていると紹介。真空チューブ技術を利用して、リニアや飛行機を超える時速1200キロメートルで旅客を輸送し、内モンゴルから広東省までわずか3時間で結ぶような“夢の交通”に対する野心を抱いていることを伝えた。
そして、この技術について「ひとたび成功すれば人類の交通に対する認識を覆すことになる一方、速度が高まればリスクは高まる。現在のデザインでは、想像できない事故が起こる可能性がある。これは高速鉄道のスピードが時速300キロメートルにとどまっている理由でもあるのだ」と危機感を示した。
記事はさらに、「中国人の業界関係者の特性」として「スーパー高速鉄道の概念を知った途端に興奮することは間違いない」とする一方、「われわれは往々にして業績のために人としてもっとも基本的なニーズを無視してしまう」とし、これらの技術開発のために国民生活や環境問題などがないがしろにされる可能性があることを指摘。「スーパー高速鉄道のように広範な影響力を持つプロジェクトに対して、中国の業界は内心をよりしっかり守らねばならない。何といっても、われわれはもはや温州高速列車事故の再発を許すことはできないのだ」と論じた。
最後に、相次ぐ飛行機や列車、そしてフェリーの事故が「スピードアップ」を拒む理由にはならないとしつつ、「速度と安全」のバランスをどう保つかについて考える必要性があることは間違いないと締めくくった。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディア・太行軍事網は15日、活況を呈している中国高速鉄道業界が、時速1000キロメートルレベルの「スーパー高速鉄道」にまで食指を伸ばしつつある状況について「本当に必要なのか」と疑問を呈し、危機感を示す評論記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-06-19 17:00