中国景気は2015年7月‐9月に下げ止まり=大和総研が分析
大和総研経済調査部主席研究員の齋藤尚登氏は、中国経済の見通しに関するレポート(全10ページ)を2015年6月19日に発表し、「中国の景気は2015年7月~9月に下げ止まると見ているが、その後の回復力は強くないであろう」という見方を示した。レポートの要旨は以下の通り。
◆2015年1月~5月の固定資産投資は前年同期比11.4%増と、1月~4月の同12.0%増から一段と減速し、輸出も5月まで3ヵ月連続で前年割れとなるなど冴えない状況が続いている。
◆大和総研は、中国の景気は7月~9月にも下げ止まると見ているが、その後の回復力は強くないであろう。
◆地方政府融資平台(中国版第三セクター)のプロジェクトについては、政府当局が融資継続を指示する「意見」を発表し、これによって、既に融資を受けているプロジェクトが、資金不足によって途中で野晒しになるリスクは大きく低下した。さらに、政府は2015年に返済期限を迎える地方政府債務の多くを地方債に置き換える計画である。地方政府債務の長期化・分散化・低金利化によって問題の先送りは可能で、当面の危機は回避されよう。
◆今後は、2014年11月、2015年3月、5月の利下げや2月と4月の預金準備率引き下げの効果が徐々に発現すると期待される。さらに、今後、不動産開発投資が底打ちし、緩やかに回復していく可能性がある。不動産開発投資の先行指標である住宅販売金額は、2015年1月~2月の前年同期比16.7%減をボトムに、1月~5月には同5.1%増へ回復した。5月単月では前年同月比30.4%の増加である。タイムラグは6ヵ月~9ヵ月であり、不動産開発投資は、早ければ7月~9月期にも底打ちする可能性があることを示唆している。ただし、地方都市の住宅在庫は月間販売の20ヵ月程度と高水準のままであり、不動産投資の回復は、大都市を中心とした緩やかなものにとどまると考えられる。(情報提供:大和総研、編集担当:徳永浩)
大和総研の齋藤尚登氏は、中国経済の見通しに関するレポートを2015年6月19日に発表し、「中国の景気は2015年7月~9月に下げ止まると見ているが、その後の回復力は強くないであろう」という見方を示した。
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2015-06-22 08:15