【為替本日の注目点】ユーロ窓を開けて取引開始、ギリシャ新提案で
NY市場
ドル円は不透明なギリシャ情勢を背景に、長期金利が低下したことでドル売りが優勢な展開に。123円台前半から122円56銭までドル安が進み、ほぼ同水準で引ける。ユーロドルはもみ合いが続く。ギリシャを巡る支援問題で期限が迫る中、依然進展がないことで神経質な展開。1.13台での取り引きが続く。
株式市場は前日の大幅高から反落。ギリシャ問題が重石となりダウはほぼ100ドル安で引ける。債券相場は反発。ギリシャ問題の不透明さから安全資産の債券に資金が。長期金利は2.25%台まで低下。金は前日とほぼ変わらず。原油は下落。
ドル/円 122.56 ~ 123.20
ユーロ/ドル 1.1296 ~ 1.1366
ユーロ/円 138.92 ~ 139.37
NYダウ -99.89 → 18,015.95ドル
GOLD -0.10 → 1,201.90ドル
WTI -0.84 → 59.61ドル
米10年国債 -0.086 → 2.250%
本日の注目イベント
米 5月中古住宅販売件数
欧 ユーロ圏緊急首脳会議
欧 ユーロ圏6月消費者信頼感(速報値)
ドル円は6月10日の黒田発言以来上値の重い展開が続いています。先週末のNY市場では、それに加えてギリシャの支援問題で合意が出来ず、依然としてデフォルトリスクが払拭できません。米債券市場では、米国債の安全性が再び注目され、資金が流入。長期金利は約2週間ぶりに2.25%台まで低下し、ドル売りのきっかけを提供した格好になっています。
黒田総裁は10日の自身の発言が様々な憶測をよんだことについて、その後参院で釈明したこともあり、先週末の記者会見に対する興味はやや薄れていましたが、為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましいとの、従来の言葉を繰り返すに留まっていました。
FOMCを終え、さらに日銀金融政策決定も終えたことから、残るはギリシャ情勢だけです。先週18日のユーロ圏財務相会合でもほとんど進展が見られなかったことで、いよいよ本日の臨時のユーロ圏首脳会合に舞台が移されることになりますが、昨日チプラス・ギリシャ首相が、メルケル独首相、オランド仏大統領、さらにユンケル欧州委員長に支援を得るための新提案を電話で説明したようです。
このため、今朝はユーロドルやユーロ円、ドル円も「窓」を開けて取引が始まっています。新提案を行ったことで、「合意」に一歩近づいたと市場は判断したようですが、ブルームバーグニュースは、メルケル首相は態度を硬化させているとも報じています。
ユーロ圏首脳会議は22日の午後7時(日本時間23日午前2時)に開催される見込みですが、この後25日からはEU首脳会議も予定されており、今週が最後の交渉の場となります。伝えられるチプラス首相の言動からは、なかなか「合意」は難しいと判断せざるを得ませんが、ユーロ圏首脳には、何とか「合意」まで持っていきたいとの誠意も見られるようです。
今日の東京時間は上記首脳会議が予定されているだけに動きにくい展開が予想されます。ドル円は10日の黒田発言以来3回も122円台半ばを試し、押し戻される展開が続いています。そのため122円40-60銭辺りが、かなりしっかりしたサポートになっています。
今日も展開によってはこの水準をテストする可能性は十分ありますが、仮に割り込むようだと、122円前後までドル安が進むことも考えられます。予想レンジは122円-123円20銭程度を考えております。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は不透明なギリシャ情勢を背景に、長期金利が低下したことでドル売りが優勢な展開に。123円台前半から122円56銭までドル安が進み、ほぼ同水準で引ける。ユーロドルはもみ合いが続く。ギリシャを巡る支援問題で期限が迫る中、依然進展がないことで神経質な展開。1.13台での取り引きが続く。
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2015-06-22 10:00