【為替本日の注目点】株反発ドル上昇、ギリシャ問題合意観測高まり
NY市場
ドル円は123円台半ばまで上昇。ギリシャ支援問題が何らかの形で合意するとの楽観的な見方から、一時は123円42銭までドルが買い戻される。ユーロドルは、ギリシャ問題が合意に近いとの見方から続伸し、1.14台までユーロ高が進んだが続かず。1.13台半ばまで反落して取引を終える。
株価は反発。ギリシャ問題への楽観的な見方に加え、中古住宅販売が2009年以来の高水準だったことでダウは103ドル高。月曜日恒例のM&Aのニュースも株価を押し上げた。債券相場は大幅に反落。ギリシャ問題が好転するとの観測が相場を押し下げ、長期金利は2.37%台まで急上昇。金は大幅に続落し、原油は反発。
5月中古住宅販売件数 → 535万件
ドル/円 123.02 ~ 123.42
ユーロ/ドル 1.1322 ~ 1.1410
ユーロ/円 139.73 ~ 140.63
NYダウ +103.83 → 18,119.78ドル
GOLD -17.80 → 1,184.10ドル
WTI +0.07 → 59.68ドル
米10年国債 +0.124 → 2.374%
本日の注目イベント
中 中国 6月HSBC製造業PMI(速報値)
独 独6月製造業PMI(速報値)
独 独6月サービス業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏6月製造業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏6月非製造業PMI(速報値)
米 5月耐久財受注
米 4月FHFA住宅価格指数
米 5月新築住宅販売件数
米 6月リッチモンド連銀製造業指数
米 パウエル・FRB理事講演
注目のギリシャへの支援問題は、今朝方ベルギーのブリュッセルでユーロ圏首脳会議が開かれ、協議が始まりました。昨日の東京市場では株価が先週末比253円上昇し、ギリシャ問題が「合意」に達することを先取りするような動きもありました。現時点で届いている情報では、「合意」には至っておらず、ユーロ圏首脳は、チプラス政権に対して債権者を満足させるため最後にさらに歩み寄り、5ヶ月間続いた支援交渉の行き詰まりを打開するよう求めているようです。
会議は依然続いているようですが、開始前のコメントでは、ベルギーのミシェル首相は、合意について「可能だが、まだ確実ではない」と語り、メルケル独首相は「決定の土台がまだ構築されていない以上、首脳会議は単なる話し合いの場となろう」と語っていたとブルームバーグは伝えています。
ただ、ユーロ圏財務相会合の議長を務める、オランダのディセルブルム財務相は、ギリシャ政府が提出した新提案は救済合意への土台となり得るとの認識を示しています。現在はこの新提案を基に、さらなる改革を求めて協議が行われているものと思われます。
今だに「合意」の報道はありませんが、市場は既に「合意」することを織り込んだ動きを見せています。NY市場では、株価が大幅に上昇し、安全資産である米国債が売られ、金も売られています。また、ドイツの株価指数「DAX」も大幅高で取引を終えています。これら一連の動きは「合意」を前提にした動きと言えます。
先週にも述べましたが、ドル円は122-125円のレンジ入りした可能性が高いと考えられます。今のところ、122円台半ばは強力なサポートになっているようですが、直ぐに125円台を試す地合いでもありません。仮にギリシャ問題がある程度の見通しが付くようであれば、市場の目は再び米経済指標へと移って行きます。
昨日発表された5月の中古住宅販売件数は年換算で535万件と、2009年以来となる高水準でした。専門家は、「所得が上がり、就労者も増えたことで、住宅の初回購入需要は今後も増えると見ている」との見方を示しています。
今年に入って昨年末までの好調な経済指標に、最初に変調を見せたのが「住宅関連」でしたが、ここに来て明らかに回復基調を示して来ました。住宅販売が好調であれば、それに伴う消費も幅広く押し上げることにつながるため、9月利上げには好材料と言えます。本日のドル円は123円ー124円程度を予想しますが、ギリシャ情勢次第ではブレも大きくなるかもしれません。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は123円台半ばまで上昇。ギリシャ支援問題が何らかの形で合意するとの楽観的な見方から、一時は123円42銭までドルが買い戻される。ユーロドルは、ギリシャ問題が合意に近いとの見方から続伸し、1.14台までユーロ高が進んだが続かず。1.13台半ばまで反落して取引を終える。
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2015-06-23 09:30