【為替本日の注目点】ドル円続伸ユーロは反落、株高でドル強含み
NY市場
ドル円は続伸し、124円台前半までドルが買われた。長期金利が上昇したことや、FRBのパウエル知事が年内2回の利上げを示唆したことでドルを買う動きが強まった。ギリシャ問題が週内に決着する見通しが強まったが、ユーロは反落。約2週間ぶりに1.11台までユーロ安が進む。
株式市場は続伸。ギリシャの先行きに明かるさが見えてきたことでリスクオンの姿勢が広がった。ダウは24ドル上昇し、ナスダックは最高値を更新。ギリシャ情勢が進展したことで債券は続落。2年債入札も低調だったことから10年債も売られた。長期金利は2.41%台まで上昇。ドルが上昇したことから金は続落し1176ドルに。原油も続伸し、3週間ぶりに61ドル台に。
5月耐久財受注 → -1.8%
4月FHFA住宅価格指数 → +0.3%
5月新築住宅販売件数 → 54.6万件
6月リッチモンド連銀製造業指数 → 6
ドル/円 123.65 ~ 124.18
ユーロ/ドル 1.1135 ~ 1.1207
ユーロ/円 138.23 ~ 138.74
NYダウ +24.29 → 18,144.07ドル
GOLD -7.50 → 1,176.60ドル
WTI +1.33 → 61.01ドル
米10年国債 +0.034 → 2.408%
本日の注目イベント
日 日銀金融政策決定会合議事要旨(5月21、22日分)
中 中国 5月景気先行指数
独 独6月IFO景況指数
米 1-3月期GDP(確定値)
最後の最後まで強行姿勢を見せ、なんとか債権国側の譲歩を引き出そうとしてきたチプラス政権も土俵際まで追い詰められたせいか、新しく提案した改革案ではユーロ圏首脳を納得させられる内容が盛り込まれたようです。
年金支給開始年齢の引き上げなどが盛り込まれたようですが、債権国側の要求は、年金額の減額や付加価値税の引き上げなどが柱になっていたため、このまま「合意」に達するかどうかはまだ分かりません。ユーロ圏首脳は、25日からのEU首脳会議で承認されれば「合意」できると述べています。
「合意」に至れば、今月末に期限の来る72億ユーロ(約1兆円)の資金繰りのメドがたつことになりますが、7月と8月にも期限の来る債務が控えており、ギリシャの債務不履行懸念は消えません。加えて、今回の新提案に対して与党内から初めて反対の意向が示されました。
急進左派連合内の一部議員は23日、チプラス首相の改革案に反対すると表明しています。ブルームバーグによると、同派内のポピュリストで急進派の、ディミトリス・コデラス議員は「個人的には、選挙公約に反する合意内容を支持できない」とインタビューに答えています。他にも支持しないと表明している議員もいるようで、下手をするとチプラス政権自体の「尻に火が付く」可能性も出てきたようです。
ひとまず霧が晴れそうなギリシャ情勢は、世界の株式市場では好材料と捉えられ株価を押し上げています。昨日の日経平均株価は381円高と、今年最大の上げ幅でした。株価の上昇に伴ってリスク許容度も増し、ドルが買われる展開です。NYでは、FRBのパウエル理事が「米国の景気が十分回復して9月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」と延べ、その前提条件として「より確かな根拠」が必要だと述べています。
市場はこの発言でドル買い姿勢を強め、124円18銭までドル高が進みました。6月10日の黒田発言以来やや上値が重くなり、122円台半ばを何度か試しましたが抜け切れずに昨日の124円台を見たことになります。前回述べたように、ドル円は122-125円のレンジに入ったと思われ、この上限と下限を抜くにはあらたな材料が必要です。
ここはレンジ相場と割りきり、小まめに利益を確保する方が賢明だと思われます。レンジをどちらかに抜けた際には改めて順張りで攻め、その方向について行くようなスタンスでいいのではないでしょうか。本日のレンジは123円50銭~124円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は続伸し、124円台前半までドルが買われた。長期金利が上昇したことや、FRBのパウエル知事が年内2回の利上げを示唆したことでドルを買う動きが強まった。ギリシャ問題が週内に決着する見通しが強まったが、ユーロは反落。約2週間ぶりに1.11台までユーロ安が進む。
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2015-06-24 09:30