1年前から約束されていたバブル越え=広木隆

 今日、日経平均は4日続伸で始まり、寄り付きからITバブル時につけた高値である2万833円を抜いた。セオリーで言えば、目標達成感から一旦、利益確定売りに押されて反落となるところだが、「そうはならないのではないか」とテレビ番組の解説で述べた。足元、ここまで急ピッチの株高を演出した原動力は、売り方の買い戻し、典型的な「踏み上げ相場」の様相である。この上昇スピードの速さからみて、まだ買い戻せていない投資家は少なくないだろう。下げたところは買い戻したい投資家がすかさず買いを入れるだろう。  一方、この相場に乗れていない投資家も多い。先週、16日の木曜日、日経平均が2万円を割り込んだ日の東証1部売買代金はわずか2兆3000億円にとどまった。絶好の押し目買いチャンスに押し目買いを入れられなかったということだ。直近の安いところを拾えていないのだから、利益確定売りも多くは出ない。また、買い持ちできているバイ&ホールドの投資家は、ここで売る理由もない。降りたら買い戻せない相場だということは身に染みているだろうから、やはり売らない。結果としてあまり下げないということになる。  ここまで急ピッチの上昇となった背景は下げ過ぎの反動だろう。日経平均は5月下旬に12連騰という記録的な上げ相場を演じた。その後には当然の調整が入る。そこまではいい。しかし、グラフ1のトレンド線を下回る領域までの下落は、必要な調整の範囲を超えていた。すくなくとも先週木曜日に2万円を割った下げは「お手付き」というか、完全に余計な下げであった。  相場が「ミス・リアクション」したといっていいだろう。FOMCのインプリケーションは「FRBは利上げを急がない」というもの。それは世界のリスク資産にとって最高にポジティブな材料だ。本来は株高で応えるべきところを、日本株は目先、為替が円高に振れたことで下げてしまった、というか売り崩されてしまった。だから余計な下げ、ミス・リアクションだということである。  日経平均がITバブル越え - そんなときだからこそ、ファンダメンタルズをしっかり見るべきだ。この1カ月で…  (執筆者:広木隆 マネックス証券チーフ・ストラテジスト 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
今日、日経平均は4日続伸で始まり、寄り付きからITバブル時につけた高値である2万833円を抜いた。セオリーで言えば、目標達成感から一旦、利益確定売りに押されて反落となるところだが、「そうはならないのではないか」とテレビ番組の解説で述べた。
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2015-06-24 17:30