【為替本日の注目点】株軟調もドル円底堅い、ギリシャ楽観論が後退

 NY市場  ドル円は米GDP確報値が予想通り上方修正されたことで124円38銭までドル高が進む。その後は長期金利の低下やギリシャ情勢への楽観的な見方が後退したことから123円台後半まで反落。ユーロは昨日の急落から買戻しが優勢となり、1.12台前半まで反発したが、その後は1.12を挟んでもみ合い。  株式市場は大幅に反落。ギリシャ問題を巡る交渉が進展していないことが材料視され、ダウは178ドル下落。1万8000ドルの大台を割り込む。債券相場は3日ぶりに反発。ギリシャ問題が依然としてリスクとの見方が強まり買い物を集めた。長期金利は2.37%台に低下。金は4日続落し、原油も反落。  1-3月期GDP(確定値) → -0.2%  ドル/円 123.77 ~ 124.38  ユーロ/ドル 1.1169 ~ 1.1220  ユーロ/円 138.60 ~ 139.17  NYダウ -178.00 → 17,966.07ドル  GOLD -3.70 → 1,172.90ドル  WTI -0.74 → 60.27ドル  米10年国債 -0.036 → 2.372%  本日の注目イベント  欧   EU首脳会議   米   5月個人所得   米   5月個人支出   米   5月PCEコアデフレーター   米   新規失業保険申請件数   ドル円は124円を挟んでもみ合いが続いていましたが、NY市場では米1-3月期GDP確報値が上方修正されたことを受けて124円38銭まで買われました。その後はギリシャ問題が再び嫌気され、株価が大幅に下落し、安全資産の債券が買われたことで長期金利が低下。ドル円も123円台後半まで押し戻され、結局昨日とほぼ同じ水準で戻って来ました。  ユーロ圏財務相は24日ブリュッセルで、ギリシャ支援を巡る会合を開いたものの、支援条件をめぐる対立の打開は当面難しいとして2時間足らずで一旦終了しています。またギリシャのチプラス首相は、ドラギECB総裁、ラガルドIMF専務理事、ユンケル欧州委員長と会談しましたが、合意に近づいたとは言えないようです。ドイツ財務省の報道官は、「われわれの印象は、まだまだ先は長いとうものだ」と語り、急速に盛り上がった楽観論が後退しています。  ギリシャ支援を巡る問題は今週にも合意に達するとう見方が広がっていましたが、まだ細部の条件の部分では折り合いが付いていないようです。ブルームバーグは、チプラス首相は増税などについてのギリシャ案を受け入れない債権団をツイッターで批判したと報じています。本日からEU首脳会議が開催され、ここで最後の協議が行われることになっていますが、まだ予断は許せない状況です。最後まで「人騒がせ」なチプラス政権です。  ドル円は堅調な株価を背景に底堅い動きを見せています。昨日は前日の高値である124円18銭を抜け、124円38銭まで上昇する場面もありましたが、124円台は維持できずに、元の水準に戻っています。やはり直ぐに125円台までドルを買う材料には乏しく、下値も堅いことからレンジ相場の様相を強めています。ここは次の材料が出るまで、小まめに利益を取っていくしか方法はありません。  他の通貨を見ても豪ドル円は、こちらも95円台でのもみ合いが長い間続いており、ポンド円も195円台後半は重くなりつつも、テクニカルを見る限り上昇トレンドを継続中です。またユーロ円も138-140円台でレンジを形成しそうな状況で、いずれも手詰まり感が漂っています。元気なのは株式市場です。  日経平均株価は昨日も小幅に上昇し、2000年のITバブルの高値を抜きました。今朝の株式専門家のコメントも強気の意見が圧倒的です。個人的には、このような雰囲気のときこそ注意が必要だと考えています。その株価も、今日はさすがにNYの大幅安を受けて軟調な展開が予想されます。株価が大幅に下落したら、どの程度個人投資家や公的資金が下値を拾ってくるのか見ものです。ドル円の予想レレンジは123円40銭~124円40銭程度と見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は米GDP確報値が予想通り上方修正されたことで124円38銭までドル高が進む。その後は長期金利の低下やギリシャ情勢への楽観的な見方が後退したことから123円台後半まで反落。ユーロは昨日の急落から買戻しが優勢となり、1.12台前半まで反発したが、その後は1.12を挟んでもみ合い。
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2015-06-25 09:45