レアメタルの「新国際秩序」を樹立せよ!=中国メディア

 中国メディアの「毎日甘粛」は18日「伝統的な産業チェーンを改造し、レアメタルの新国際秩序を樹立せよ」と題する論説を掲載した。中国ではかなり古くから、「現在の国際秩序は欧米列強が定めた。中国にとって不利」との論調があった。同論調は2010年ごろから、さらに強まりつつある。  「毎日甘粛」はレアメタルの大産地であり輸出国である中国が、極めて少ない利益しか得られていないと指摘。大きな理由としては、レアメタルを扱う企業に体力がなく、各社が自社の利益だけを考えて、力を合わせることができていないと論じ、自国側の問題点を認めたが、国内環境を整備することで「現在の国際秩序を変革せよ」と強調している点で、「自国が不当な立場に置かれている」との濃厚な被害者意識を示している。  日本も中国も、いわゆる「国際社会」に組み込まれたのは19世紀だった。しかし両国は対照的とも言える反応を示した。日本はかなり早い段階で、西洋列強の定めた「国際的ルール」あるいは「国際法」を学び、自国ができるだけ有利な立場に立てるよう努力した。  中国の場合は、自らが数千年をかけて形成した「中華的秩序」から脱却することに、相当に手間取った。そのために、より多くの「損」をすることになった。その点で、中国の主張にも「一理はある」と認めてよい。  ところで国際法や国際習慣は不変のものではない。最も決定的なのは「大国」や「主要国」の意向だが、国際世論が動けば、自国の望む方向に変化させていくことは可能だ。もちろん、自己主張を繰り返すだけでは、他国の不信感を増大させるだけだ。  中国は経済規模が巨大になったことで、自国の主張が通りやすくなったと認識するようになったかもしれない。しかし、中国経済の急成長をもたらした改革開放政策の基本的発想は「中国は世界を必要としている」だったはずだ。仮に現在の中国が「世界は中国を必要としている」と過信しはじめたとしたら、多くの国が中国に背を向けることになる。  中国が、自分の望む方向に世界を動かそうとしたら、そのための“王道”は、経済力や軍事力をつけるだけでなく、さまざまな方面で「信頼される国」、「尊敬される国」になり、国際的な影響力を高めていくことだ。しかし現在の中国には、他国が納得できない言動も多い。そのため、自国に有利な国際世論の形成も、かえって困難になっているとみなさざるを得ない。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの「毎日甘粛」は18日「伝統的な産業チェーンを改造し、レアメタルの新国際秩序を樹立せよ」と題する論説を掲載した。中国ではかなり古くから、「現在の国際秩序は欧米列強が定めた。中国にとって不利」との論調があった。同論調は2010年ごろから、さらに強まりつつある。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-06-26 00:15