【為替本日の注目点】ドル円雇用統計不調も底堅く、株価急反発で円売り強まり

 NY市場  米国1月の雇用統計では、失業率は改善したものの、雇用者数は前月に続き市場予想を大幅に下回ったことで、ドル円は発表直後に101円40銭まで下落。しかし、その後株価が急速に値を戻したことでドル円も発表前の水準まで上昇。結局102円30-40銭で取引を終える。   ユーロドルもドル安が一時的に進んだことから続伸し、1.36台半ばまで買われる。   株式市場は大幅に続伸。雇用統計は振るわなかったものの、量的緩和縮小ペースが緩やかになるとの観測が株価を押し上げたが、ショート筋の買い戻しが主因だったとの指摘も。ダウは165ドル上昇し、週間でも今年最大の上げ幅に。   債券価格は上昇。米雇用の伸びが2ヵ月連続で市場予想を下回ったことで、米経済成長に対する不透明感から売られる。   金は続伸。原油価格も4日続伸し、一時は100ドル台に乗せる。   1月失業率 → 6.6% 1月非農業部門雇用者数 → +11.3万人   ドル/円 101.40 ~102.59  ユーロ/ドル 1.3568 ~ 1.3649  ユーロ/円 138.17 ~ 139.52  NYダウ +165.55 → 15,794.08ドル  GOLD +5.70 → 1,262.90ドル  WTI +2.04 → 99.88ドル  米10年国債 -0.020 → 2.680%  本日の注目イベント  日   12月国際収支   日   1月景気ウォッチャー調査   1月の雇用統計では非農業部門雇用者数が再び市場予想を大幅に下回る11.3万人でした。そのため102円台半ばまで上昇していたドル円は一気に101円台半ばまで下落し、1月の雇用統計発表直後と同じような展開かと思われましたが、ドル円はその水準から上昇に転じ、結局102円台半ばまで反発し、元の鞘に戻っています。  株式市場で株価が急反発し、「リスクオフ」の流れが後退したことで円売りが強まり、この日は長期金利の動きではなく株価の動きに反応した格好でした。先週は1日で300ドルを超える下落を見せるなど、株価も売られ過ぎだったとの見方もあり、ショート筋の買い戻しで反発したとの指摘も正鵠を射ていると思われます。  問題は2ヵ月連続で市場予想を大きく下回った雇用者数です。12月分は7.4万人から上昇修正されましたが、わずか1000人でした。もともとこの経済指標は「ぶれる」ことで知られており、毎月修正されない月はないほどです。従って「単月」で見るのではなく、「四半期単位」などで見て、トレンドを確認することが必要です。今回の発表時には、昨年10月と11月分まで遡って上昇修正されましたが、こちらはいずれも3万人から4万人の増加に修正されました。  その結果11月分に至っては24.1万人から27.4万人に修正され、12月には一気に7.5万人まで増加傾向が鈍化したことになります。こうして見ると、12月分の数字が「寒波の影響」を受けていると見ることが自然かもしれません。こうなると早くも2月の雇用統計が重要になってきます。寒波の影響があったとは言え、米雇用者の回復がピークを付けた可能性も出て来ており、今後2ヵ月程度の結果を見れば、確認できると思われます。  ドル円は102円台半ばまで反発したことで、100円割れのリスクはやや後退したと見られます。今後も米国株式市場の行方に左右される展開が続きそうですが、まだ105円台に乗せる状況ではありません。「量的緩和縮小」ペースがこの先緩まるのか、あるいはこのまま粛々と続けられるか、そして株式市場がそこをどう消化していくのか、まだまだ値動きが大きくなる可能性があります。  ドル円の上値のメドは102円85銭から103円のレベルです。既に「4時間足」まで、遅行スパンが好転を見せていることで、足許ではドル円が底堅い動きを見せそうです。明日米議会ではイエレン議長の議会証言が予定されていることで、今週の最大の注目イベントになっています。ここで、議長が新興国に対する配慮や、新興国通貨の動きを注視している姿勢を見せれば「リスクオフ」がさらに後退すると予想されます。個人的には年初からの株価の調整が想定以上だったこともあり、イエレン議長は新興国に対する何らかのメッセージを発信するのではないかと予想しています。本日のレンジは102円10銭~103円10銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
米国1月の雇用統計では、失業率は改善したものの、雇用者数は前月に続き市場予想を大幅に下回ったことで、ドル円は発表直後に101円40銭まで下落。しかし、その後株価が急速に値を戻したことでドル円も発表前の水準まで上昇。結局102円30-40銭で取引を終える。 
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2014-02-10 09:45