米露が中国の武器輸出を妨害・・・「WZ-10」攻撃ヘリなどで

 中国のポータルサイト「新浪網」は24日付で、中国からパキスタンへの「WZ-10(武直-10)」攻撃ヘリ輸出がロシアの干渉を受けたと主張する記事を掲載した。25日付の記事では、米国も「攪乱(かくらん)している」と主張した。  中国が攻撃ヘリコプターの開発に着手したのは1990年代で、03年には「WZ-10」を初飛行させた。同機の開発にユーロコプター(現エアバス・ヘリコプターズ)とアグスタウェストランドが協力したとされる。  中国は2014年にWZ-10のパキスタンへの輸出を決めた。同年内に2機、現在までにさらに1機を引き渡した。最終的に17機を売却するが、最初の3機は「輸出」ではなく、「お試し用の供与」との見方もある。WZ-10の海外輸出は初めて。  パキスタンは一方で、ロシアから「Mi-35(ミル-35)」攻撃ヘリ20機の購入も決めた。新浪網はパキスタンを巡る中国とロシアの武器売込みが激化していると指摘。パキスタンはこれまで中国製武器を多く購入してきたことから「中国の伝統的顧客にロシアが関心を持ちだした」と評した。  同様に中国の武器輸出相手だったミャンマーやタイにも、ロシアは接近しているという。  新浪網は、中国の軍需産業の確立で「ソ連/ロシアはこれまで、大きな支援を行ってきた」と認めたが「注目すべきは、支援は無償ではなかったことだ。中国は支払うべきものはすべて支払ってきた」と、中国の武器開発の歴史を肯定した。  今後については、武器輸出で中ロの競争は激化すると指摘した。  「新浪網」は25日付で、米国もパキスタンへの攻撃ヘリ売り込みを行っているとして、米国も「WZ-10」の輸出を「攪乱している」と主張した。 ********** ◆解説◆  ロシアが中国の武器ビジネスで問題視しているのは、中国がロシアの承諾を得ないでロシア製武器を改良し、場合によっては第三国の輸出を図ることだ。上記記事は中国側の「不誠実な行為」には触れていない。  なおロシアは、中国への輸出を全面停止することはしていない。対米関係などもにらみ、中国との関係を悪化させない方が有利と判断していると考えられる。ロシアの軍需企業にとって中国は「大得意先」であることから、自国の軍需産業を維持し発展するために、中国への武器輸出で資金を稼いでいる事情もある。(編集担当:如月隼人)(写真は新浪網の24日付記事頁のキャプチャー)
中国のポータルサイト「新浪網」は24日付で、中国からパキスタンへの「WZ-10(武直-10)」攻撃ヘリ輸出がロシアの干渉を受けたと主張する記事を掲載した。25日付の記事では、米国も「攪乱(かくらん)している」と主張した。(写真は新浪網の24日付記事頁のキャプチャー)
china,economic,america,military,
2015-06-26 11:00