【為替本日の注目点】世界が日経の反応に注目、神経質な1日に
NY市場
ドル円はミシガン大学消費者マインドが上方修正されたことで堅調に推移。米長期金利が上昇したこともあり124円近辺までドル高が進む。ユーロドルはギリシャ支援問題が決裂する可能性が浮上したことで1.130までユーロ売りが進む。
株式市場は反発。経済指標の好転を好感し、ダウは56ドル上昇。ここ2日間で250ドルを超える下げの反動との声も。債券相場は経済指標が良好だったことから売りが優勢となり、長期金利は2.47%台まで上昇。金は反発し、原油は小幅に売られる。
6月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値) → 96.1
ドル/円 123.62 ~ 123.99
ユーロ/ドル 1.1130 ~ 1.1208
ユーロ/円 138.02 ~ 138.68
NYダウ +56.32 → 17,945.68ドル
GOLD +1.40 → 1,173.20ドル
WTI -0.07 → 59.63ドル
米10年国債 +0.058 → 2.470%
本日の注目イベント
日 6月鉱工業生産
独 独6月消費者物価指数(速報値)
欧 ユーロ圏6月景況感指数
米 5月中古住宅販売成約指数
ギリシャ議会が来月5日に国民投票を行うことを決め、債権国側はギリシャの返済期限延長を拒否したことを受けて、週明けのオセアニア市場では円が急騰しています。ユーロドルは1.10の大台を割り込み、ドル円は122円11銭まで円高が進み、その結果ユーロ円は135円台半ばまで急落し、大きく窓を開けています。
ユーロ圏側もこのままではギリシャからの返済がいつ実施されるかメドが立たないこともあり、これまでの柔軟な対応から、最終通告の手段に出た格好です。チプラス政権が国民の判断を尊重するとの立場から5日に国民投票を行うため、30日に迫った返済期限を延長するよう要請しましたが、ユーロ圏側はこれを拒否しました。
今朝の報道ではギリシャのピレウス銀行は、週明けの29日に休業する予定だと発表しており、預金引き出しが続くことで、銀行が一斉に休業する「資本規制」を実施することになりそうです。メルケル独首相は、29日にべルリンで緊急会合を開き、議会幹部とギリシャの金融危機について協議し、ギリシャがユーロ圏から離脱した場合の影響に対応する準備を進める模様です。(ブルームバーグ)
どうやら、ギリシャもこれまで何度も債権国側を懐柔し、延命を図ってきましたが、チプラス首相も反緊縮の旗を降ろせず、かといってこのままでは破綻することが目に見えていることから「国民に判断を委ねる」という最後の手段に出たものと思います。これで、ユーロ圏に残留しようがしまいが、それは「国民の判断」だと言うことが出来ます。
先週のNYでは、何とか週末には合意できるのではとの見方の中、株価は上昇し、安全資産の債券は売られ、ドルが買われて越週しました。今朝6時半過ぎに、これまで非常に堅いサポートだった122円40-50銭を割り込み、現時点では122円11銭まで円高が進んでいます。もっともこれは、朝方の参加者が少ない時間帯で122円40銭以下のストップが執行された可能性も高く、このまま一気に121円台で安定するかどうかは不明です。
本日は堅調な日経平均株価がどのような反応をみせるかが重要です。世界中が、週明けの最初の主要株式市場である東京の反応に注目しています。仮に、株価がそれ程下げずに終わっても、NYでは週末の今回の動きは織り込んでいません。そのため、東京が想定以上に堅調であっても、そのまま海外市場も同様な動きをするかどうかは分かりません。ここは注意が必要です。
欧州市場がオープンすれば「資本規制」が発動されるでしょう。同時にギリシャ発の金融危機を他の欧州諸国に伝播させないよう、ECBはコメントを出すことになり、主要国首脳から対応策が発表されることも予想されます。神経質な1日になりそうです。予想レンジは難しいですが、121円30銭から123円30銭程度にしたいと思いますが、基本は「ドルの買い場」を探すスタンスを維持したいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円はミシガン大学消費者マインドが上方修正されたことで堅調に推移。米長期金利が上昇したこともあり124円近辺までドル高が進む。ユーロドルはギリシャ支援問題が決裂する可能性が浮上したことで1.130までユーロ売りが進む。
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2015-06-29 09:45