中国人の不動産購入 お金の出どころはどこ?

何回かに分けて、中国人の不動産購入についてご紹介してきました。中国人にとって、マイホームは絶対に購入しなければならないものなのです。しかし、どうしても購入しなければならないとはいえ、家であればなんでもよいと購入するというわけではありません。
日本では、「爆買い」などで注目されている通り、中国人はいい物にはお金を惜しまず使う傾向があります。中国の人たちは、とても好奇心旺盛です。そのため、いろいろな方法でいろいろな情報を集めてくるのです。不動産の購入でもそうです。底値がいくらなのか、評判はどうか、リサーチを惜しみません。時には、道端で声をかけられ、生活環境がどうなのか尋ねられることもあります。よい物件を購入しようと精一杯がんばるのです。
しかし、都市部の状況はどんどん変わってきています。そう簡単には、よい物件を購入できません。
原因の1つは、なんと言っても不動産価格の高騰です。都市部には、新しくマンションを建設できる土地が多くないため、新築物件がどんどん供給されるわけではありません。できれば、新築物件を頑張って買いたいのはやまやまなのですが、到底手が出る値段ではないのです。そのため、中古物件を購入する人たちも少なくありません。
例えば、近くに子供が通える学校はあるが、エレベーターはなく、築20年以上、25坪程度で3LDKの物件に、8000万円以上の値が付いているのです。独身男性や、子どもがまだ学校に上がる前の若い夫婦が、どうやってこのような物件を購入するのでしょうか。
頼みの綱は両親の貯金です。
中国には35年以上の歴史を持つ、一人っ子政策があります。そのため多くの夫婦には、愛情を注げる対象、つまり子どもが一人しかいないのです。それは、子どもが成人しても同じです。子どもが、結婚できるためなら、なんでもしてやりたいと考えています。結婚して孫ができた場合も同じです。父方の祖父母にとっても、母方の祖父母にとっても、唯一の孫なのです。ですから、孫の人生のためなら、貯めてきた貯金全部を使うことも厭いません。
もちろん、それでもお金が足りない人の方が多いでしょう。そういう人たちは、無謀とも思えるようなローンを組むのです。家族が幸せになるための決定なのですが、両親のお金を全て使ったうえ多額の借金をすることが、家族の幸せにつながるのかどうかは、定かではありません。(執筆者:大西 秀明 提供:中国ビジネスヘッドライン)
何回かに分けて、中国人の不動産購入についてご紹介してきました。中国人にとって、マイホームは絶対に購入しなければならないものなのです。しかし、どうしても購入しなければならないとはいえ、家であればなんでもよいと購入するというわけではありません。
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2015-06-29 11:30