中国でも親の悩みは子供の教育問題「保育園と学童保育があれば」

 筆者が、ここ武漢でも相変わらず中国人の中に日本人が1人という環境で過ごしていると、中国人の同僚などから日本の状況について様々な質問を受けます。彼ら、彼女らは日本の状況に興味津々です。今回は、その中で、就学前や小学生といった小さい子供を有する中国人の親の悩みについて、武漢で聞いた話を紹介します。 ■ 武漢市でも中国人の親の悩みは子供の教育―幼稚園、保育園の悩み―   あるとき、会社の中国人の同僚と3人で車に乗っているとき、2歳の子供がいるという同僚から質問を受けました。 女性の同僚「今、子供が入る幼稚園を探しているのだけど、なかなか入るのが難しくて……。日本はどう?」 筆者「うちは中国人の多くの家庭と同じで夫婦共働きの家だし、両方の親も遠くにいたりして子供の面倒をなかなか見れないから、子供は1歳から保育園に行っていたよ。最大で朝の7時30分から夜の8時まで預かってくれたよ」 女性の同僚「えー! うちももちろん共働きだけど、中国の幼稚園はそんなに遅くまで預かってくれないよ。今はお手伝いさんをお願いして見てもらっているけど、来年からは幼稚園に入れたいと思っている。日本の保育園は公立?」 筆者「民間の経営でも、市町村が支援している認可保育園、認証保育園などがあるよ」 女性の同僚:いいな。中国(武漢)はそういったところは少ないし、先生1人が多くの子供を見ていて行き届かないことが心配」 筆者「年齢の小さいクラスは、子供は少ないけど、保育士さんは多いよ。目や手が必要でなくなってくる年齢にしたがって、保育士さんの割合に対して子供は増えるけどね」 女性の同僚「日本はいいな。子供に行き届いた世話をお願いしたいと思うと、私立になるからお金がすごくかかるよ。公立の幼稚園でも、評判のよい幼稚園は1年前からの入園競争があるから、中国は大変だよ」 筆者「日本だって、地域によっては入るのに大変な競争があるよ」 女性の同僚「それでも、あるだけいいよ」 ■ 武漢市でも中国人の親の悩みは子供の教育―学童保育の悩み―  車の中で、一緒になって反応していた男性の同僚も悩みを話し始めました。 男性の同僚「うちは子供は小学2年生なのだけど、もちろん夫婦共働きだから小学校が終わった後、僕たちが家に帰るまでが悩みだよ。お手伝いさんに小学校まで迎えに行ってもらい、夕ご飯の準備をしてもらいながら、妻の帰りを待ってもらっているけどね。親が宿題も見てあげないといけないし、大変だよ」 筆者「うちの子も、小学校は早く終わるけど、その後、学童保育というところに行っているよ。学校の外部の学童だけど、同じ小学校の友達も大勢いるし、同じ保育園に通っていた友達もいる。別の小学校の子たちとも仲良く慣れるし、宿題もそこでほとんど済ますし、それ以外にも、勉強の時間などがあって、なかなか良いよ」 男性の同僚「えー! いいな」  その後、この同僚二人は日本と中国の保育園・幼稚園と小学校の違いをワイワイ話しながら、子供の面倒を見てくれるお手伝いさんの時給の話とどこまで仕事をしてくれるのか、どう探したのか、という話を熱心にしていました。 ■ 規制もあれど、中国でも教育分野は熱い  中国では、「外商投資産業指導目録」にもとづいて、外資の進出を規制している分野があります。例としては、日本の建設会社は外資過半数の中国企業の建屋建設しか出来ないなどです。中国地場企業保護のための法律規制と言えます。ただし、中国の大きな流れは、一般的に内資企業と外資企業を平等に扱う流れにあります。  教育分野も規制の対象で、「義務教育機構、軍事、警察、政治および党学校等の特殊領域の教育機構」に外資は進出できないと定められています。しかしそれ以外の分野、たとえば、保育園・幼稚園、学童保育などから、学外での塾などは、日本企業が有する教育ノウハウを今後ますます中国で生かしていける余地がありそうに思われます。  幼い子供を有する中国人の親たちの話を聞き、中国では、いや中国だからこそ、教育分野は今後ますます熱い分野だと感じた次第でした。(執筆者:奥北秀嗣 提供:中国ビジネスヘッドライン)
 筆者が、ここ武漢でも相変わらず中国人の中に日本人が1人という環境で過ごしていると、中国人の同僚などから日本の状況について様々な質問を受けます。彼ら、彼女らは日本の状況に興味津々です。今回は、その中で、就学前や小学生といった小さい子供を有する中国人の親の悩みについて、武漢で聞いた話を紹介します。
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2014-02-10 12:00