「ギリシャ危機」が中国にもたらす利益と弊害=英メディア

香港メディアの大公網は29日、ギリシャがデフォルト危機に陥っていることについて、英BBCの報道を引用し、ギリシャのデフォルト危機が中国に及ぼす直接的・間接的な影響について紹介した。
記事は、欧州中央銀行(ECB)がギリシャの銀行に対する緊急融資の増額を見送ると決定したことを紹介し、デフォルトの可能性が高まっているギリシャが国内の金融システムの崩壊を防ぐために銀行閉鎖と資本規制の導入を発表したことを紹介。さらにアテネ証券取引所も29日の取引を行わなかったことを伝えた。
続けて、ギリシャは30日に国際通貨基金(IMF)に対する約16億ユーロ(約2200億円)の債務返済期日を迎えると指摘する一方、返済できなければギリシャはデフォルトとなり、ユーロ圏からの離脱を余儀なくされ、「ギリシャ経済は崩壊する可能性が高い」と論じた。
記事は、ギリシャのデフォルト危機が中国に与える影響は決して小さくないことを指摘し、2010年にギリシャが債務危機に陥った際、中国はギリシャ最大の港であるピレウス港のリース契約を含め、数十億ユーロをギリシャに投資したと伝えた。さらに、「シルクロード経済帯」と「海上シルクロード」を構築するという中国政府の「一帯一路」戦略においても、13年に習近平国家主席が「ギリシャは地政学的に一帯一路戦略における重要な位置にある」と述べたことを紹介した。
続けて、英ブルネル大学の教授の発言を引用し、ギリシャの危機は「中国経済にとって利益と弊害の双方ある」と伝え、ギリシャがユーロ圏離脱となればいずれユーロ安が進み、相対的に人民元高となることから中国の輸出が減少する可能性が高いと指摘した。
さらに、中国側の利益としては、ギリシャがデフォルトとなればギリシャの資産価格は大幅に下落することになるため、中国や日本、サウジアラビアなど豊富な資金を持つ経済大国がギリシャの資産をこぞって買い求める可能性があると紹介。
一方で、ギリシャはピレウス港の民営化に向けた取り組みを再開したとの報道もあると伝え、ピレウス港の51%の株式を売却する方針であると紹介、売却先には中国企業である中国遠洋控股の名前もあがっていることを紹介し、中国企業が荷物の取扱量が増えているピレウス港の経営権を取得する可能性があると報じた。(編集担当:村山健二)(写真は大公網の29日付報道の画面キャプチャ)
香港メディアの大公網は29日、ギリシャがデフォルト危機に陥っていることについて、英BBCの報道を引用し、ギリシャのデフォルト危機が中国に及ぼす直接的・間接的な影響について紹介した。(写真は大公網の29日付報道の画面キャプチャ)
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2015-06-30 11:00