「日本茶」輸出倍増計画・・・背景には日本食ブーム、中国市場に注目

 中国メディアの「中国網」は6月26日、日本は、日本茶の「輸出倍増計画」を進めると報じた。中国市場にも大いに注目しているとした。  記事は、長年にわたり日本の農産物輸出額には「5000億円の壁」があったが、2014年には初めて6117億円に達したと紹介。背景には世界的な日本食ブームがあると指摘した。  日本政府・農林水産省は13年8月、農林水産物・食品の輸出戦略を策定。今後10年間でアジアを中心に世界の食市場は現在の340兆円から倍増して680兆円になると見越し、「Made From/By/In Japan」から文字を取った「FBI」戦略を進める。  記事は日本茶について、2005年の輸出額は21億1000万円、14年には78億円であり、2020年にはさらに倍増の150億円の輸出を目指すと紹介した。  これまでの輸出先は米国やシンガポールなど健康志向の強い地域だった。ただし、欧州連合(EU)では手続が極めて煩雑で、輸出増はあまり現実的ではない。  中国は茶葉を年間23万トン生産する世界最大の茶の生産国だ。「中国茶」の存在が大きく、日本茶の輸出は盛んでなかったが、経済発展に伴い日本の食品を求める人も増えたことで、有望視されるようになったという。   日本では中国茶というとウーロン茶やプーアル茶が有名だが、実際には生産される茶葉の8割以上が緑茶だ。日本茶とは製法が異なり味わいも違うが、中国人の多くは緑茶に親しんでいる。 ********** ◆解説◆  日本では明治期、深刻な外貨不足を解消するために、日本茶の輸出を奨励したが、絹糸などと比べれば、成功しなかった。洋風の食生活に合わなかった面があるが、一部業者が茶葉に砂をまぜて重量をごまかすなどしたことが「致命的」だったという。  日本人の「商売」が信用を得たのは、それほど古い話ではない。江戸時代には井原西鶴が、中国人は信義を重んじるが、日本人は商品をごまかすと記述している(日本永代蔵)。  第1次世界大戦時にも、欧州に輸出した日本製品に「不良品」が多く「安かろう悪かろう」の悪評が出た。日本の大量生産品の品質が向上したのは、おおむね1960-70年代の高度成長期からだ。それまでの反省を踏まえ、「大量に安定して買ってもらうため」の努力を続けて達成したと言える。  今後、日本茶の輸出が順調に伸びれば、「約100年ぶりの雪辱に成功」ということになる。(編集担当:如月隼人)
中国メディアの「中国網」は6月26日、日本は、日本茶の「輸出倍増計画」を進めると報じた。中国市場にも大いに注目しているとした。
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2015-06-30 13:15