【為替本日の注目点】ギリシャ返済出来ず、ドル円は打診買いの域

 NY市場  ギリシャの返済が不可能になる中、ドル円は欧州時間とNY時間に122円を割り込む場面もあったが、いずれも122円台に押し戻される。今朝の時点で期限内の返済はなくなり、5日の国民投票の結果に焦点が移る。ユーロドルは前日同様、不透明感が漂う中1.11台から1.12台でもみ合う。  株式市場は前日大幅に下げた反動もあり小幅に反発。ダウは23ドル上昇し、その他指標も揃って反発。ギリシャの先行きが不透明感を増し、債券相場は小幅に反落。長期金利は2.35%台にやや上昇。金は反発し、原油価格は5日ぶりに反発。  4月ケースシラー住宅価格指数 → 4.91%  6月シカゴ購買部協会景気指数 →  49.4  6月消費者信頼感指数      → 101.4  ドル/円 121.98 ~ 122.61  ユーロ/ドル 1.1110 ~ 1.1245  ユーロ/円 135.98 ~ 137.53  NYダウ +23.16 → 17,619.51ドル  GOLD -7.20 → 1,171.80ドル  WTI +1.14 → 59.47ドル  米10年国債 +0.033 → 2.359%  本日の注目イベント  豪   豪5月住宅建設許可件数   日   6月日銀短観   中   中国 6月非製造業PMI   中   中国 6月製造業PMI   中   中国 6月HSBC製造業PMI(改定値)   欧   ユーロ圏6月製造業PMI(改定値)   英   英6月製造業PMI   米   6月ADP雇用者数   米   6月ISM製造業景況指数   ギリシャの返済期限が迫る中、日本時間今朝7時が最終期限となり、この時間を過ぎたことでIMFのスポークスマンは「IMFは今日ギリシャ当局から30日期限の債務支払いの延期の要請を受け取ったことを確認する。要請は理事会で検討される」と声明を発表しました。この結果、ギリシャは現在IMFに対して「債務延滞」という状況です。  チプラス政権は、債権国側に新たな支援要請を行ったようですが、ユーロ圏財務相側はこれを受け入れかったことで、ギリシャの債務不履行が決まっています。格付け会社はこれを「デフォルト」とはしないようですが、今後は円建債権(サムライ債)の期限も今月には控えており、この返済ができないようだと「デフォルト」と認定しそうな状況です。  これで次の焦点は5日の国民投票の結果ということになります。直近の調査では「緊縮財政賛成」が「反対」を上回っているようですが、その差は僅かで、今後の成り行き次第ではどうころぶか分かりません。  仮に「賛成」が過半数を取るようなら、チプラス政権は崩壊し、再度債権国側と話し合われる可能性もあるようですが、「反対」が勝った場合には、ギリシャがユーロ圏を離脱する可能性が現実的となりそうです。メルケル独首相は7月5日に予定されているギリシャの国民投票前に同国政府と協議しても「まったく、空虚な交渉になる」と述べています。(ブルームバーグ)  ドル円は昨日の欧州時間に121円94銭までドル売りが進み、約1ヶ月ぶりの円高水準を記録しましたが直ぐに122円台へ押し戻されています。またNYでも同様に122円を割りこむ場面がありましたが、こちらも122円台へと戻っています。122円割れではある程度のドル買い需要もあるようですが、「底堅い」というより、打診買いの域を出ていないように思います。  昨日は日米で株価が小幅に反発し、やや落ち着きを取り戻したようですが、債務不履行が決まって、果たして今日の株価はどのような反応をみせるのか注目されます。ある程度予想されていたことから、「目先の悪材料出尽くし」と取れないこともありませんが、「混迷はこれから」という見方があることも事実です。同時にこの影響が、南欧諸国に波及しないかどうかも見ていかなければなりません。  4日後に国民投票を控えているだけに、事態は依然として不透明です。ギリシャ問題がギリシャ一国に留まってくれれば、市場は落ち着きを取り戻し、再び米利上げのタイミングを探る展開に戻ると予想されます。FRBのフィッシャー副議長は昨日も、労働市場やインフレ率が上向けば利上げに踏み切ると、講演で述べています。明日の6月の雇用統計が再び注目を集めます。本日の予想レンジは121円90銭~122円90銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ギリシャの返済が不可能になる中、ドル円は欧州時間とNY時間に122円を割り込む場面もあったが、いずれも122円台に押し戻される。今朝の時点で期限内の返済はなくなり、5日の国民投票の結果に焦点が移る。ユーロドルは前日同様、不透明感が漂う中1.11台から1.12台でもみ合う。
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2015-07-01 09:45